「ブッフォンの後継者」ドンナルンマはアッズーリ復権の象徴。超えるべき課題は?

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2018年10月09日

才能は申し分ないが順風満帆とは…。

周囲のみならずブッフォン(右)もドンナルンマ(左)を後継者として認めている。アドバイスを惜しまず、目を掛けてきた。(C)Getty Images

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 196センチ・90キロという理想的な体格に、強力なパワーと優れた反応性、良好なコーディネーション、そしてGKとしての高い基本技術を備え、ゴールエリア内で「シュートを止める」能力は、デビュー当時からセリエAはもちろんヨーロッパでもトップレベル。若さゆえに不用意なミスを犯す場面もまだ時折見られるが、それを引きずらずに頭を切り替えて常に平常心を保つパーソナリティーの強さ、メンタルタフネスも大きな長所だ。
 
 現代GKにとって不可欠な能力となった両足のボールスキルも必要十分なレベルにあり、ビルドアップの起点として機能するプレービジョンにも優れる。「近い将来に世界のトップ5に入る守護神に成長しうるだけの器」という評価は、すでに確立されていると言っていい。
 
 とはいえ、プロデビューしてからの3シーズンは決して順風満帆とは言えなかった。約30年に渡ってオーナーの座に君臨してきたシルビオ・ベルルスコーニから謎の中国人投資家ヨンホン・リーへの経営権売却と、それに伴うクラブの強化ビジョンのブレ、そして代理人ミーノ・ライオラの思惑に振り回される形で、ミランにおける立場が常にマスコミやサポーターの議論の的であり続けてきたからだ。
 
 愛するミランの正GKという幼少時代からの夢を実現したにもかかわらず、クラブが提示した契約延長オファーを拒否し、最終的に将来の移籍に有利な条件で新契約を交わした
17年夏の騒動は、昨シーズンのパフォーマンスにも影を落としたように見える。
 
 常に批判やプレッシャーに晒される困難な環境の中にありながら、ミランの守護神として安定したパフォーマンスを発揮してきたことは評価に値する。だが現時点では、チャンピオンズ・リーグ優勝を争う真のメガクラブが本気で獲得に乗り出すレベルまで完成度が高まっていないことも事実だ。ライオラの売り込みにもかかわらず、アリソン、ティボー・クルトワ、ケパ・アリサバラガ、ブッフォンといったワールドクラスを巻き込んだ今夏の「GKドミノ」に、ドンナルンマの名前がほとんど絡まなかった事実は実に象徴的だ。
 
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