日本サッカーが世界で確固たる地位を築くには!?

D・コスタ同様、スアレスも攻守で多くの役割を担い、グループステージのロシア戦では自らの守備で得たFKを決めるなど、バルサでのプレー時以上の存在感を示した。 (C) Getty Images
ポゼッションを極めた育成から、優れたストライカーが出てきにくいのは興味深い。集団にはめ込み、教えようとすればするほど、ストライカーは活力を失う。それはバルセロナのようなクラブでも同じことだ。
日本サッカーが世界で確固たる地位を築くには、ストライカーを輩出する必要がある。
「中盤の選手が『こう動いてほしい』と言う。それが日本のサッカー。でも海外では、ストライカーが『ここに出せ』と言う」
海外でのプレー経験がある選手が、そう洩らしていたことがあった。全てのチームがそうなるべきではない。しかし、そういうチームがもっと多く存在するべきだろう。とりわけ、九州には体格的にもキャラクター的にも、ストライカーの素養がある選手が多い。
ちなみに大迫も、鹿児島出身のストライカーである。この大会で、点取り屋として覚醒することができるか。その活躍は、日本代表の命運をも左右することになりそうだ。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。