中村俊輔、本田圭佑、柴崎岳らが背負う"ナンバー10の使命"――ジーコ元日本代表監督が、中村を使い続けた理由とは

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2016年03月17日

ファンの期待を裏切れば批判の的に…。本田はそれを承知でミランの10番を背負った。

ジャンニ・リベラ、ルート・フリット、デヤン・サビチェビッチ――。ミランのレジェンドたちと比べられる宿命を本田は背負っている。(C)Getty Images

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 鹿島とは対照的に、浦和の10番は次々に変わった。ようやくエメルソンが02年から4年間背負うとチームは上位に顔を出すようになり、ポンテが君臨した5年間が浦和の黄金期となった。ポンテが去ると、新潟では輝いていたマルシオ・リシャルデスが浦和では精彩を欠き、チームも低迷期に突入。昨年は欠番にしていたが、今年は日本人として16年ぶりに柏木陽介が10番を引き継いだ。
 
 チームの現状とキャリアを考えれば、ごく自然な流れだ。頻繁にボールを引き出し、全体の舵取りをしながら攻撃のスイッチを入れる。すでに広島で2年間背負った経験からして遅きに失した感もあるが、今年1月の始動日にはポンテの後任に打診されながら柏木自身が断った経緯を語っている。
 
 看板を託すには、相応の決断が要る。ファンの夢を担う10番は、だからこそ期待を裏切れば痛烈な批判に晒される。本田圭佑はそれを承知でミランの10番を背負ったわけだが、ファンはいつだってジャンニ・リベラ、ルート・フリット、デヤン・サビチェビッチら歴代のレジェンドと比べてしまう。傑出したプレーをして当たり前の選手は「どうせまた散々批判するんだから」という宿命も背負い込むことになる。
 
 10番がエースナンバーになったのは、ブラジル代表とサントスでペレが背負ったのが発端だ。1958年のスウェーデン・ワールドカップで、17歳のペレはブラジルを初優勝に導き、以来3度の世界一を経験してキングと崇められる。しかしペレがあまりに偉大過ぎて、その10番を引き継ぐリベリーノへの重圧は測り知れなかった。不用意にもリベリーノに10番についての質問を繰り返すと、途端に苛立たし気な返答がきた。
 
「だからそんなものはただの番号に過ぎない、と言っているだろう!」
 
 通訳からは「もうこれ以上はまずいですよ」と警告されてしまった。
 
 リベリーノも、70年のメキシコ・ワールドカップでは、ペレと一緒に優勝を飾っている。しかしいくら本人が「ただの番号だ」と言い切っても、10番を引き継いだ途端にきっと猛烈な重圧がきた。ペレはブラジル黄金時代の象徴だった。ところがリベリーノはブラジルが世界一になれなかった時代の象徴になってしまったのだ。

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