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“6本指”でいじめや嫌がらせはなかったか。そう訊かれた高吉正真の答が…【先天性多合趾症と戦うフットボーラー】

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2023年09月30日

両親への恩返しはプロになること

持ち前の明るさで困難を乗り越えていた高吉。今後の活躍に期待したい。写真:©︎GIRAVANZ

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 それを受け入れた高吉は持ち前の明るいキャラクターもあって、良い意味で仲間も巻き込んでここまで人生を送ってきた。その背景に「両親への感謝」がある事実を見逃してはいけない。

「手足の先天異常以外は満足できる身体で、実際、風邪もあまり引かないし、怪我もほとんどしない。丈夫な身体に産んでくれた両親には感謝している」

 両親からすれば、これ以上の言葉はないだろう。「プロになりたい」という息子の夢を叶えるためにサッカースクール代や遠征費を工面した苦労も、もしかすると吹き飛んだかもしれない。

「自分のためにお金を使ってくれた。僕にはサッカーしかなかったので、両親への恩返しはプロになること。それは小学生の頃から決めていました」

 想像を絶する努力があったのでは? そう訊くと、高吉は「いや」ときっぱり否定した。

「両親のおかげです。いつも応援してくれて、試合も見にきてくれて。両親のサポートあってこそです」
 
 高吉はそんな両親から今もアドバイスをもらうという。

「(北九州で試合に)出れない時も腐らずにやり続けなさいと。本職ではないポジションを任されたら、そこで結果を出しなさいと。見ている人は必ずいるからと言われています」

 高吉がJリーグで活躍すれば、先天異常の子どもたち、その両親への励みになるのではないか。いわゆる“希望の星”になるために、彼は決意を新たにする。

「プロである以上、結果を出さないと。そうすれば、僕と同じ症状の子どもたちに勇気を与えることができる。なぜ五体満足の子に産んでやれなかったのかと悩む親御さんにも元気を与えることができれば嬉しいです」

 “6本指のJリーガー”は力強く前を向く。

<了>

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

<選手プロフィール>
高吉正真(たかよし・しょうま)
2000年8月25日生まれ、神奈川県出身。176センチ、70キロ。川崎U-18育ちで、2023年に北九州に加入。地上戦、空中戦ともに強い屈強なボランチ。守備的なポジションならどこでもこなす器用さも魅力のひとつだ。

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