Thomas VERMAELEN
トーマス・ヴェルメーレン
背番号23/DF/ベルギー代表/1985年11月14日生まれ/183センチ・80キロ小さい時から、大人しくて恥ずかしがり屋な性格だった。大きくなったらGKになるのが夢だったという珍しいサッカー少年は、配管や蛇口を修理して回る配管工の父親の背中を見て育った。
「有名なクラブの選手になったからといって、息子の世話になるつもりはない」と語り、現在も地元で配管工として働き続ける父親を、ヴェルメーレンはいまでも尊敬してやまない。
15歳の時にはアヤックスにスカウトされる。親元を離れてアムステルダムにいったが、家族が恋しくて毎晩のように忍び泣いた。
しかし、家庭の経済状況を考えれば、ピッチ内外でサポート体制が充実するアヤックスは、プロフットボーラーになるための千載一遇のチャンス。家族に孤独な気持ち吐露するとなく、必死に戦い続けた。
この性格は、今でも変わっていない。幾度となく負傷しても決して愚痴をこぼさず、黙って努力を重ねるのだ。前所属のアーセナルで指導したアーセン・ヴェンゲル監督は、ヴェルメーレンを「真面目で規律正しい働き者」と評している。
最初の息子が生まれた時には、翌日のトレーニングに向けて睡眠不足にならないように、一緒に寝たい気持ちを抑えて、別室で眠る生活を自らに強いた。
昨夏に加入したバルセロナでは怪我に祟られているが、これだけ自己管理に厳しい男なのだ。チームの誰もが、その努力が報われることを願ってやまない。