その第3回は世界ナンバー1プレーヤーのリオネル・メッシ、チリ人守護神のブラーボ、そしてモロッコ系スペイン人のムニル・エル・ハッタディだ。
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Lionel MESSI
リオネル・メッシ
背番号10/FW/アルゼンチン代表/1987年6月24日生まれ/170センチ・72キロトップチームで公式戦デビューを果たした直後、当時17歳のリオネル・メッシを初めて取材した時のことは、いまだに脳裏に焼き付いている。
ほとんどの質問には「イエス」か「ノー」でしか答えない口数の少ないシャイな少年は、小柄な身体ながら太腿だけがやたらに逞しく、全体のバランスがやや歪だった。
よく知られているように、メッシは幼少の頃から成長障害を抱えていた。その治療費を負担するのを嫌がり、母国アルゼンチンのニューウェルやリーベルは契約を諦めた。その才能に惚れ込み、治療費負担を買って出たのはバルセロナだけだったのだ。
13歳で海を渡ってスペインに渡ったメッシは、毎晩、寝しなに自分でホルモン注射の針を足に突き刺し続けた。
文字通り痛みを伴う作業だったが、父親は「人にやってもらうのでは意味がない。本当にプロになりたいなら、自分で自分の身体をケアしろ」と、若き日のメッシを突き放したのだった。
それでも一般と比べて成長が遅く、初取材時の17歳の時はまだ上半身が細かった。足だけデフォルメされたかのようなその肉体は、当時の私に強い印象を与えた。
あれから10年――。上半身も逞しくなったメッシは、世界一のフットボーラーに相応しいフィジカルを手に入れた。
いまだにインタビューは得意ではないが、きちんと応対できる余裕もできた。二児の父となり、人間的にも成長した印象だ。
シャイで小柄だった少年は、少しずつ成熟して青年になった。そして、今日もサッカー史に名を刻み続けている。