3人のレジェンド、福西崇史×坪井慶介×佐藤寿人が語り合う「森保ジャパン検証」

カテゴリ:日本代表

本田健介(サッカーダイジェスト)

2021年11月05日

気になったのは“ズレ”

オーストラリア戦では貴重なゴールを決めた田中。今夏に移籍したドイツで成長している。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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――従来の4-2-3-1から4-3-3に変えて勝利を掴んだオーストラリア戦はどう分析しますか? 逆三角形の中盤はインサイドハーフに守田英正選手、田中碧選手、アンカーに遠藤航選手が入りました。

福西 結果論として中盤の3人が良かったですよね。3人だと守備対応へ動く時の距離感が取りやすく、ひとりがサイドに出ても、中盤はいつもの2ボランチの感覚でプレーできる。だからこそ、思い切って守備に出られるし、その影響で、サイドバックがどこに戻るだとか、センターバックの立ち位置が取りやすいなど利点があったはずです。センターバック視点ではどうかな?

坪井 オーストラリア戦を見る限りでは、4-3-3のほうがバランスは良いのかなと思いました。

福西 サウジ戦だとひとりが出ると、中盤の底がひとりになってしまい、相手が上手く入ってきた時に、出遅れるシーンがあった。でも2枚いると、安定してできるよね。

坪井 ボランチが3枚だと、フクさんが話すように数的優位な状況を作れるので、(遠藤)航がボールを奪いにいける回数が増えました。航はやはり球際はすごく強いので、思い切ってチャレンジできたのは良かったですね。ただ、オーストラリア戦で気になったのは、ズレのところ。4-3-3だと、(両SBの)長友(佑都)、酒井(宏樹)が攻め上がった際の空いたスペースを埋める作業がポイントになります。(攻め上がったどちらかのSBを除く最終ラインの)3枚でカバーしきれないシーンが現にありました。
 
佐藤 前半のタガートにポスト直撃のシュートを打たれたところはそうでしたよね。

坪井 数はそこまで多くないからこそ、目立ってしまうところもあって。

福西 失点シーンもよく言われるけど、長友が前に対応に出て、その裏のスペースを使われ、中に出されたボールをボランチがファウル。そのフリーキックを直接、決められた。

坪井 コーチングを含めて修正したいですよね。先ほどのタガートに打たれたシーンも(攻め上がった左SBの長友へのロングフィードをカットされてカウンターを受けた)、その前でパスをつながれたところで、センターバックの冨安は前に出ないほうが良かった。あそこは中盤の守田がズレたほうがベターでした。4-3-3のトレーニングをどれだけできたか分かりませんが、システムを変えたことでのメリットとともに、少しのデメリットも見えました。でもしっかり修正できると思います。

福西 様々な状況で誰が守備に出るか。確認をしたいところだよね。

坪井 はい。長友が引き出された失点シーンも、後ろの3枚がズレれば良かったと思うんです。

福西 それぞれが左へね。

坪井 ただあのシーンは冨安が左サイドへカバーに出なかったんです。でもあそこは逆に出たほうが良かった。中でコーチングはしているはずですが、スムーズにできるかですよね。改めて全体が良かっただけに、そのふたつのシーンは個人的にすごく気になったんです。

福西 ボランチがいくと追いかける状況になるので、難しい。寿人みたいな選手だったら絶対にそういうギャップを狙っているはずだしね。そうした時に誰が出るのか。

坪井 後ろでズラしながら、ボランチを最終ラインに入れるのか、そこは監督のやり方にもよりますよね。

福西 今後も4-3-3でいくとなれば、どう修正するかだよね。
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