当初、監督は獲得に反対していたという
ドイツ2部のシュツットガルトでプレーする日本代表MF遠藤航は、昨夏にベルギー1部のシント=トロイデンから期限付きで移籍した後、じっと出場機会を待ち続ける時間が続いていた。
そもそも、当時監督だったティム・ウォルターは獲得に反対だったという。スポーツディレクターのスベン・ミスリンタートはそれを押し切って遠藤を迎え入れたことになる。自らの意に反して獲得された選手を起用することは、どんな監督でも最初は抵抗があるだろう。
”ベンチ要員”となっていた遠藤について、ウォルター監督は、メディアに尋ねられるたびに「どこで起用するのがいいのかを見定める時間が必要だ」と答えていた。そうとしか答えられない事情が、彼にはあったわけだ。とはいえ、それがいつまでも続くと「なぜ補強したのか?」と、地元記者やファンに疑われても仕方がない。
ドイツの老舗サッカー専門誌『kicker』は、「獲得当初から、大きな疑問符が浮かんでいた。他にも似たようなタイプの選手はいるのではないか?」と懐疑的にみていたことを正直に明かしている。
そうした状況に対し、遠藤も理解を示していた。
そもそも、当時監督だったティム・ウォルターは獲得に反対だったという。スポーツディレクターのスベン・ミスリンタートはそれを押し切って遠藤を迎え入れたことになる。自らの意に反して獲得された選手を起用することは、どんな監督でも最初は抵抗があるだろう。
”ベンチ要員”となっていた遠藤について、ウォルター監督は、メディアに尋ねられるたびに「どこで起用するのがいいのかを見定める時間が必要だ」と答えていた。そうとしか答えられない事情が、彼にはあったわけだ。とはいえ、それがいつまでも続くと「なぜ補強したのか?」と、地元記者やファンに疑われても仕方がない。
ドイツの老舗サッカー専門誌『kicker』は、「獲得当初から、大きな疑問符が浮かんでいた。他にも似たようなタイプの選手はいるのではないか?」と懐疑的にみていたことを正直に明かしている。
そうした状況に対し、遠藤も理解を示していた。
「(監督は)最初は、自分のプレーやスタイルをよく分かっていなかった。実際に(そう)言われたこともある。ただ単に時間が必要だったというか。僕自身は、練習には100%で取り組んでいた」
そんななか、遠藤とシュツットガルトにとって転機となったのが、19年11月半ばに行われたカールスルーエとのダービー・マッチだ。
ウォルター監督のチームは、「自分の形をしっかり作りながら、試合を支配していくスタイル」(遠藤)を目指して邁進していたが、どうにも安定していなかった。
例えば、ビルドアップ時にはポジションが激しく連動する。SBがアンカーの位置に入り込めば、インサイドハーフや攻撃的MFがSBの位置まで降りて守備に参加する。さらにアンカーは、トップ下の位置に顔を出すほか、最終ラインのCBも中盤に顔を出しに行くなど、積極的なポジションチェンジを行なって相手守備を揺さぶり、攻略する。