レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第46回 G・ミュラー(元・西ドイツ代表)

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サッカーダイジェストWeb編集部

2019年03月07日

ゴール前で奇跡を起こし続けた「爆撃機」

「サッカーとは決断力とひらめき。技術だけではダメで、勇気が必要」という信条を持つミュラー。点を取ることについては、「ゴールを狙い続けることでチームの士気を高められることが、このポジションの面白いところ」と語っていた。 (C) Getty Images

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 本誌ワールドサッカーダイジェストと大人気サッカーアプリゲーム・ポケサカとのコラボで毎月お送りしている「レジェンドの言魂」では、サッカー史を彩った偉大なるスーパースターが、自身の栄光に満ちたキャリアを回想しながら、現在のサッカー界にも貴重なアドバイスと激励を送っている。
 
 さて今回、サッカーダイジェストWebに登場するのは、天性の得点嗅覚と優れた技術を駆使し、あらゆる大舞台で、あらゆる強敵からゴールを奪い続けた「爆撃機」、ゲルト・ミュラーだ。
 
 ゴールに関する全ての記録を塗り替えながら、バイエルンとともに頂点に昇り詰め、西ドイツ代表としても世界一を達成する原動力となった偉人の軌跡を、ここで振り返ってみよう。
 
――◇――◇――
 
 世界の戦火がようやく鎮まって間もない1945年11月3日、ゲルハルト・ミュラーは西ドイツ(当時)・シュワーベン地方の都市、ネルトリンゲンで4人兄弟の末っ子として、この世に生を受けた。
 
 幼少期からサッカーに興じた「ゲルト」少年は、この頃からゴールを奪うことに情熱を燃やした。10歳で入団した地元クラブ、TSVネルトリンゲンで技に磨きをかけた彼は、16歳の時には1シーズンで197得点を記録している。
 
 ゴールを量産する少年の噂はプロサッカーの世界に広まり、64年、当時、地域リーグに所属していたバイエルンがスカウト。貧しい家庭の出だったこともあり、早いうちからサッカーで生計を立てることを考えていたミュラーはこれを受け入れ、19歳になった時に正式契約を結んだ。
 
 このずんぐりとした体型で太腿の異常に太い少年を、当時の監督だったズラトコ・チャイコフスキはあまり高く評価しておらず、他の選手を「サラブレット」と表現したのに対し、ミュラーについては「小さな像」と形容して、「チームに加えたくない」とまで言い放ったという。
 
 しかし、同期入団のフランツ・ベッケンバウアーともに、ミュラーは1年目から真価を発揮。33ゴールを挙げてチームを南部地区のリーグ制覇、そしてブンデスリーガ昇格に導いた。
 
 65-66シーズン、トップリーグでの1年目では15得点を記録するとともに、DFBカップ優勝で早くもタイトル獲得を経験。なお、同カップ戦ではその後、連覇を達成するとともに、68-69、70-71シーズンにも優勝を成し遂げている。
 
 初の欧州カップ戦(カップウィナーズ・カップ)出場も果たした66-67シーズンには、リーガで28ゴールを挙げ、得点王に輝く。キャリアを通して、7度もトップスコアラーの称号を手にすることになるが、その記念すべき1回目の戴冠だった。
 
 個人としても、チームとしても着実にステップアップし、68-69シーズンにはついにクラブ史上初のブンデスリーガ優勝を飾る。昇格から4年目での快挙であり、ミュラーは2度目の得点王となる活躍で、これに大きな貢献を果たした。
 
 バイエルンは71-72シーズンからリーグ3連覇を果たすが、ミュラーはこの偉業に、自身の3年連続得点王という記録をもって、彩りを添える。そして74年、クラブはチャンピオンズ・カップを制し、ついに欧州の頂点へ。ミュラーはアトレティコ・マドリーとの決勝、激戦の末の再試合でウリ・ヘーネスとともに2ゴールを挙げた。
 
 舞台の大小、試合の重要性に関わらず、常にゴールを生み出す彼は、「デア・ボンバー(爆撃機)」と呼ばれた。グラウンダー、浮き球、混戦……どんな状況でも、ボールをゴールのなかに運ぶことができた。自身が倒れていようが、複数の選手に囲まれていようが、ボールは必ずミュラーのものだった。
 
 ペレ、ベッケンバウアー、ヨハン・クライフのような華麗な技術を持っているわけではない。メディアは「中盤では平凡な選手」と評し、西ドイツ代表を率いた名将ヘルムート・シェーンも、「技術的に彼以上の選手は幾らでもいた」と語っている。
 
 しかし、名将は「厳しいマークのなか、ゴール前の狭いスペースで、ミュラーほどの働きを見せられる選手はひとりもいない」と、またメディアも「ゴール前では奇跡を起こす」と絶賛した。
 
 その能力をフルに活かして、チームに勝利やタイトルを次々にもたらした彼は、得点王以外にも、多くの個人タイトルを手に入れた。70年には、ドイツ人として初めてバロンドールを受賞している。

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