【小宮良之の日本サッカー兵法書】 監督に必要なのは「名将の下での修行」より「下部チームの指揮」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年02月24日

監督は「監督」としてしか成長できない

ジローナで脚光を浴び、就任1年目でセビージャを躍進に導いているマチン。43歳の指揮官は「監督」としての経験を積み重ねながら、その力を高めている。 (C) Getty Images

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 監督は、監督として成熟する。
 
 欧州サッカー界をリードする指揮官は、いずれも監督としての経験を積み、その力量を高めている。コーチからの「丁稚奉公」ではない。監督として失敗し、成功し、一人前になるのだ。
 
 ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)、ユルゲン・クロップ(リバプール)、ウナイ・エメリ(アーセナル)、マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)、アントニオ・コンテ(チェルシー)、ディエゴ・シメオネ(アトレティコ・マドリー)、サンティアゴ・ソラーリ(レアル・マドリー)、エルネスト・バルベルデ(バルセロナ)、トーマス・トゥヘル(パリ・サンジェルマン)……
 
 彼らは、いずれも選手引退後、間もなくして監督に就任。どのカテゴリーであっても、あくまで監督という現場のリーダーとして結果を残し、その名声を高めてきた。「監督」として、成熟してきたのだ。
 
 言うまでもないが、コーチを経て監督になるケースもある。
 
 例えば、カルロ・アンチェロッティ(ナポリ)は3シーズン、名将アリーゴ・サッキのアシスタントコーチを務めている。ジネディーヌ・ジダンも半年間、アンチェロッティの下でコーチとして学ぶ時期があった。
 
 しかし、5年も、10年もコーチをし、監督になるケースは稀である。
 
 基本、監督は監督としてしか、成長できない。
 
 今シーズンのリーガ・エスパニョーラで波乱を起こしているセビージャ、アラベス、そしてベティスなどの指揮官も、監督畑で育っている。
 
 セビージャのパブロ・マチンは、ヌマンシアで現役引退後、地元クラブで監督として指揮を執り、ヌマンシアの下部組織で経験を積み上げ、10年以上を過ごした。その後、Bチームの監督を経て、トップチームでの補佐を4年間務めてから、監督を務めるようになった。
 
 ジローナでは、2シーズン続けて昇格プレーオフで敗れるも、3シーズン目で引き上げ、1部で10位と旋風を巻き起こし、今シーズンからセビージャでその手腕を振るっている。

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