欧州の頂点に立った“原石”たちのその後は…
ユース年代でいかに華々しい活躍を見せようとも、プロで通用する選手というのは限られている。その点は、日本であろうが、欧州、南米であろうが、何ら変わらない。
プロというのは、限られた才能をさらに絞り上げて作った世界なのである。
2013-14シーズンのUEFAユースリーグ(チャンピオンズ・リーグと平行して行なわれるユースの欧州王者を決める大会)、バルセロナのユースは圧倒的な強さで大会を制している。
プロというのは、限られた才能をさらに絞り上げて作った世界なのである。
2013-14シーズンのUEFAユースリーグ(チャンピオンズ・リーグと平行して行なわれるユースの欧州王者を決める大会)、バルセロナのユースは圧倒的な強さで大会を制している。
グループリーグでは、ミラン、セルティック、アヤックスのユースと対戦したが、5勝1分け・20得点5失点と、全く寄せ付けていない。決勝では、レアル・マドリーを準決勝で4-0と下したベンフィカを、3-0と完膚無きまでに叩いている。
では、当時の優勝メンバーで何人の選手がバルサのトップチームで活躍しているのか?
大会MVPとも言える活躍で得点王の11ゴールを挙げたFWムニル・エル・ハッダディ、ただひとりである。ムニルにしても、バレンシア、アラベスでの2年間の武者修行で実戦経験を積み、今シーズンにようやく帰ってきた。しかし、まだレギュラーを獲得したとは言えない。
大会最優秀GKになったファブリス・オンドア、16歳でバルサBデビューを果たしたMFウィルフリード・カプトゥム、「エトーの再来」といわれたアダマ・トラオレなど、期待された逸材は多かった。だが、彼らはいずれも2軍チーム(バルサB)止まり。壁を越えられず、新天地を求めた。
こうした現象は、何もバルサだけに起こっているのではない。
例えば、大会上位得点者12人のアタッカーたちは、ムニル以外、当時所属していたクラブのトップチームにひとりも定着できていない。
ジェームス・ウィルソン(当時、マンチェスター・ユナイテッド)、デバンテ・コール(当時、マンチェスター・シティ)、ジェンナーロ・トゥティーノ(当時、ナポリ)等……、その多くが、レンタル移籍を繰り返しながら、他のチームでも居場所を作れずに苦しんでいる。