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5発大勝のアルゼンチン戦に見る大岩ジャパンの完成度は? シームレスな可変は効果的で、個のキャラクターも活かされていた

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2023年11月20日

「前線からの守備は我々の生命線」

南米の強豪アルゼンチンに5-2で完勝。実り多い試合になった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 来夏のパリ五輪を目ざすU-22日本代表は11月18日、日本平でアルゼンチンに5-2の勝利を飾った。

 アルゼンチンは来年1月にパリ五輪の南米予選を控えており、今回の合宿期間に完全非公開でもう1試合あることから、戦術や組み合わせなど、すべてを出していないことは明らかだが、日本にとって実り多い試合になったことは間違いない。
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 大岩剛監督は「前線からの守備というのは、我々の守備の生命線でもありますので、その積極性と、あとは状況をしっかりと判断してポジションを取ることと、2つ選手には要求している」と語るが、守備に関しては高い位置から奪いに行く姿勢を継続的に出せており、松木玖生(FC東京)のアシストから佐藤恵允(ブレーメン)が決めた先制点をはじめ、2、3、4点目のすべてに通じる要素だった。

 その一方で、2失点につながったビルドアップに関しては、相手のプレッシャーに対してバタついてしまうところが見られた。

 前半に喫した1失点目は、佐藤のバックパスをセンターバックの木村誠二(FC東京)が上手く処理できず、やや苦し紛れに出したボールを松木がキープに行って、縦に挟まれる形で奪われた。そこから簡単に縦パスを通されて、パブロ・ソラーリとGK藤田和輝(栃木)が1対1になる状況を生んでしまった。

 後半の立ち上がりの2失点目は、A代表の経験もあるティアゴ・アルマダの見事な直接FKによるものだったが、危険な位置でのファウルを与えたきっかけが、中盤のつなぎのミスだった。
 
 そうした課題はあっても、4-3-3でスタートしながら、流れのなかで4-2-3-1のようになるなど、シームレスな可変が効果的で相手ディフェンスに的を絞らせない強みになっているし、そのなかで個人のキャラクターが上手く活かされていた。

 たとえば右ウイングの三戸舜介(新潟)は、右サイドバックの半田陸(G大阪)と連係しながらサイドを崩し、ボールを失えば鋭いプレスをかけて奪い返しに行く。左はワイドストライカーでもある佐藤が積極的に単独で仕掛けた。

 佐藤にアクシデントがあり、左は前半の終わりから松村優太(鹿島)に代わったが、その松村が佐藤に負けず劣らず、攻撃面と守備面でスピードと、鹿島で磨いている状況判断を発揮。鈴木唯人(ブレンビー)による3点目の起点になり、見事な左足のミドルシュートで日本の4点目を叩き出した。

 右サイドで途中出場の山田楓喜(京都)は左利きの“逆足アタッカー”として知られるが、この試合では高い位置からの守備で3点目と4点目を呼び込んだ。
 
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