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目標は“世界一”もGS敗退。冨樫剛一監督がU-20W杯を回想「選手たちはパニックに陥ったようにも見えた」【独占インタビュー/前編】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2023年08月08日

育成年代で結果を残すために必要なのは?

U-20W杯でU-20日本代表の指揮を執った冨樫監督に、独占インタビューを行なった。(C)Getty Images

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 目標は初の世界一。高い目標を掲げ、冨樫剛一監督率いるU-20日本代表は意気揚々とアルゼンチンに乗り込んだ。しかし――。今年5月20日に開幕したU-20ワールドカップは、1勝2敗のC組3位でグループステージ敗退に終わった。

 2009年大会から2015年大会まで出場権を逃していたとはいえ、ノックアウトステージに進めなかったのは実に2001年大会以来となる。奇しくもその時の開催地はアルゼンチンだった。1999年大会に成し遂げた準優勝を超える結果は未だに果たせていない。最後に日本がベスト16の壁を越えたのはUAEで行なわれた2003年大会まで遡る。育成年代で結果を残すためには何が必要なのか。チームを率いた冨樫監督に大会を振り返ってもらった。

――◆――◆――
 
 21人の登録メンバーのうち、海外組は過去最多の4名(DFチェイス・アンリ/シュツットガルト、DF髙橋仁胡/バルセロナ、FW福田師王/ボルシアMG、MF福井太智/バイエルン)。MF松木玖生(FC東京)など、国内組の力もある。しかし、待っていたのは屈辱のGS敗退だった。

 11日に日本を飛び立ち、12日にアルゼンチン入りしたチームは10日ほど現地で調整し、21日のセネガル戦を迎えた。序盤からアフリカ王者に苦戦。パワフルな突破力を生かした攻撃に手を焼いた。それでも15分に松木のミドルシュートで先制に成功。その後も相手に押し込まれる時間が続いたが、凌いで初戦を1-0の勝利で飾った。だが、日本にとって本当の悪夢はここからだった。

 24日に行なわれたコロンビアとの第2戦。セネガル戦と同様に厳しい展開となった。それでも勇敢に立ち向かい、30分にCKで緻密なサインプレーから山根陸が仕留める。劣勢を跳ね返して掴んだ貴重な先制点。初戦と同じように危険な橋を渡るわけにはいかない。

 しかし、後半開始から押し込まれ、53分と59分に連続失点を喫する。しかも、どちらの失点も右サイドを破られたモノで、わずか15分で逆転を許した。そこからなんとか巻き返し、80分にPKを獲得。しかし、松木が失敗してそのまま1-2で敗れた。

 最終戦を前にして1勝1敗の2位。このままいけば、2位以内に与えられるノックアウトステージ進出を自力で決められる。もし第3戦で引き分けに終わったとしても、全グループの上位4チームに与えられる3位での予選通過が確定する状況だった。

 最終戦で日本はイスラエルに対し、優勢に進めて前半を1−0で折り返す。後半に入っても粘り強く戦い、68分には相手が2枚目のイエローカードを受けて退場処分に。数的優位な状況で残り時間を戦えるアドバンテージを含め、誰もが日本の予選通過を信じて疑わなかった。

 時間の経過とともに押し込まれ、どちらが数的優位で戦っているのか分からない状況に陥る。76分に自陣ペナルティエリア手前あたりでファウルを犯すと、このFKからネットを揺らされた。意気消沈していたイスラエルが完全に勢いを取り戻すと、後手を踏んだ日本の選手たちはピッチ内で彷徨った。
 
「選手たちは勝ちたいという意思を持っていたと思いますが、パニックに陥ったようにも見えました。いつもなら、何かを伝えようとすると、選手たちと目が合い、もちろん指示も伝わる。こちらで交代策を打ち、そこから時間を作りながら、もう少し前でボールを運ぼうと、クリアでもなんでもいいから前に持っていこうと全体に意図を伝えました」

 混乱が解けず、監督からの指示も耳に入らない。「1−1の状況を保ちつつ、隙あらば勝ち越し点を目ざす」という狙いで81分に福井らを投入したが、選手たちは勝点3の獲得にこだわってしまう。

 ピッチとベンチの意思疎通が図れないまま、後半アディショナルタイムの90+2分にゴール前の混戦から決勝点を献上。その後のパワープレーも実らず1-2で敗れ、日本は3位に転落。他グループの結果を待つことになったが、全グループ3位の上位4か国に入れず、大会から姿を消すことになった。
【PHOTO】松木玖生やチェイス・アンリらが絶妙ポージング! U-20日本代表 公式ポートレートギャラリー
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