【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|タイでのチャレンジを振り返って

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年09月30日

あまりにも多かったピッチ外での問題。もう少し時間が必要だった。

タイでのチャレンジを終えた三浦監督。9月30日に帰国の途に就き、しばしの休息をとる予定だ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 9月30日の帰国を前に、僕はチェンマイでタイでの最後の晩餐を迎えようとしている。
 
 チェンマイというひと地域のみで、「これがタイだ!」と言っても説得力がないし、なによりチェンマイFC以外のチームを見ることによって、よりタイ(タイ人)を知ることができる――。同時に必ず自分自身の未来に活かされる時間になると思い、小さな町のサラヤにあるD2クラブ「タウィーワタナFC」で、残留を懸けた4試合のみの仕事を選んだ。わずか4週間のスーパーヘッドコーチの仕事である。
 
 昨年11月にタイリーグ監督のオファーを受けて話を聞き、12月に直接チェンマイへ足を運んで自分の目と耳と肌で現地の状況を確かめに来た。最初のタイ(チェンマイ)、タイ人(チェンマイ人)の印象を思い出せば、そこまでこの地を「好き」になるとは思わなかったのが正直なところだ。
 
 2015年1月1日にチェンマイに着いて4日に始動して以来、日に日にこの国の事情を知るにつれ、理解するべきこととできないことへの葛藤が生じていったが、それは日本で生まれ育ち、日本の文化や習慣が染みついていたサッカー少年の僕が、ブラジルに渡った30年前のあの頃と同じような状況と言えた。
 
 そして、選手からフロントを経て監督へと転身し、自分のなかのスタンダードをグローバル(世界)へと意識して来た時間から、タイで監督をやる意味がなにかを見出すと同時にいろんな問題と直面していった。
 
 タイのサッカーが日本でどう伝わっているかはさておき、やはり「ネガティブ」な部分が多いのが現実だった。それは戦術や選手のスキルの部分もあるが、それ以上に、クラブ、チームのマネジメントの部分に大きな問題があり、オーナーのチーム介入であったり、マネジャーの仕事の怠慢であったり、その影響からの給与未払いといった問題は、どのクラブも多かれ少なかれ、抱えているのが現状である。実際にこうした問題は、チェンマイFCでも起きていたのだ。
 
 しかし、この地で生きる力をまざまざと実感した自分にとって、決してネガティブに伝えるべきことではなく、まずは落ち着いて、タイの文化、風習から受け入れようと、6月の中断期間までの10~13試合を目安にタイ人とともに築くチームを目指していった。
 
 そして、結果はファーストステージ限りでお互いが歩み寄り(話し合い)、チェンマイFCの監督を退任。オーナーとは一度も喧嘩もしなかったし、険悪な関係になったわけでもない。ただ、あともう少しだったことは確かだ。もう少し時間が必要だった。
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