【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|タイでのラストゲームを前に…

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年09月24日

タイでのチャレンジは終わるが、新たな窓がまた開く。

タミーワタナFCで指揮を執る三浦総監督。残り1試合で降格圏とは勝点差が2。最終節は負けられない戦いになる。

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 タイでのチャレンジがついに終わりを告げる。
 
 9月26日にタイリーグ・ディビジョン2の最終節が行なわれる。タミーワタナFCのスーパーヘッドコーチ(総監督)として、ここまでチームを率いてきたが、この最終戦に勝てば文句なく残留が決まる。タイへ来て9か月が経とうとし、タミーワタナFCのあるサラヤに来て3週間。悔いのない準備をして最終節の試合に臨むのみである。
 
 相手はすでにプレーオフ(チャンピオンシップ)進出と優勝を決めており、D2イーストリーグをぶっちぎりで優勝したライヲンFC。自分で選んだのではないが、どこか自分らしいステージが用意されたと思っている。
 
 ムエタイが盛んなタイでは、こういった立場を青コーナーと呼ぶ。チャンピオンが赤コーナーであれば挑戦者は青コーナーだ。つまり、弱者を強者に挑ませる仕事である。悔いを残しては絶対いけない戦いが目の前にあるのだ。
 
 そして、総監督として4試合目となるこの試合は、タミーワタナFCでのラストゲームでもあり、僕にとってタイでのラストマッチでもある。たくさんのタイへの想いを心に秘めながらの試合になる。
 
 チェンマイFCを辞任と引き換えに戦った4試合。そしてチェンマイのみでタイを退くことを拒み、自ら選んだD2のタミーワタナFCでの残留争い。プロの監督として選んだ道がどうであれ、プロとは呼べないような環境での指揮だったとはいえ、学んだこと、吸収したことも少なくなかった。いろんな経験をさせてもらったなかでの、一足お先のシーズン終了となりそうだ。
 
 そうは言っても、なにが起こるか分からないのがサッカーの世界である。自分にとってタイというドアは閉まるが、また新たな窓がたくさん開く。
 
 監督も選手も鞄ひとつでどこでも動くのがサッカー界。また新天地で、新たな戦いが続く。まずは26日の最終節を全うし、10月1日に日本へ帰国することが決まっている。次回、じっくりとタイを振り返りたいと思う。
 
 今はまだ、戦い前の静けさのようなもの……。これからも僕にパワーを送って欲しい。
 
2015年9月22日
三浦泰年

タミーワタナFCは決して恵まれた環境にあるクラブではない。しかし三浦総監督は、「ここが自分に与えられたステージ」と、最後まで全力を尽くす。

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