【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「もはやお馴染みとなった“空虚”な終盤投入」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2015年11月25日

レギュラー復帰をアピールするにはあまりに困難な状況だ。

11月21日のユベントス戦で本田は6試合連続で試合終盤投入に。過去5戦と同じく大きなアピールはできなかった。(C)Alberto LINGRIA

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「チームはこんな酷い試合をしているのに、なんで自分には出番がないんだ?」
 
 約2か月前にシニシャ・ミハイロビッチ監督の不興を買った発言ではあるが、それでも今もベンチに座りながら本田圭佑はきっと、5分おきにこのクエスチョンを繰り返しているのではないだろうか……。
 
 この質問に対して本田は明確な答えをまだ得ていないというのに、時間を追うごとにその疑問は深まってきている。
 
 3-1でモノにした11月1日のラツィオ戦のミランは、闘志溢れる、そして確固とした戦術を備えた堂々たるチームだった。誰もが「ミランは生まれ変わった」、「今シーズンのターニングポイントとなる一戦になる」と確信したことだろう。
 
 しかし、それもどうやら一瞬の閃光でしかなかったようだ。あれからまだ1か月も経っていないというのに、今のミランからはその片鱗も窺えない。あの試合でポジティブだった要素は、いまや全て消え去ってしまっている。
 
 それでもレギュラー選手たちはまだましだが、ベンチの選手の状況はもっとハードだ。先のユベントス戦(11月21日)でも、本田はまたも“悲しいコピー”を繰り返した。ロスタイムを含めてもラスト9分だけのプレータイム。試合終盤の投入はこれで6試合連続だ。
 
 彼がピッチに入った時のミランは0-1で負けており、もはや戦術とは無関係に敵陣内にボールを蹴り飛ばすだけだった。本田がレギュラー復帰に向けて監督やクラブにアピールするうえで、この状況はあまりにも困難だ。空虚とすら言ってもいい。
 
 本田にとってもうひとつ複雑だったのは、このユベントス戦でライバルのアレッシオ・チェルチが極めて低調だったことだろう。たしかにここ数試合のチェルチは素晴らしいパフォーマンスを見せていたが、この日はキックオフからずっと精彩を欠いていた。
 
 ミハイロビッチはなぜハーフタイムに彼をベンチに下げなかったのか。もしくは60分でもいい。ミランはトップチームに28選手も登録している。これほど大きな困難を抱えている時に、たった13、14人の固定化した選手だけで解決しようとするのはナンセンスだ。主力でも機能していなければ外す勇気を持つべきだし、本田に限らずバックアッパー陣にチャンスを与えるべきである。
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