【現役監督によるユーベ対ミラン戦の戦術分析】不可解だったアッレグリ監督のシステム選択

カテゴリ:メガクラブ

ロベルト・ロッシ

2015年11月22日

あえて4-3-1-2を選んだ理由はどこにあったのか。

ユベントス対ミラン戦の結果&スタメン。

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トップ下で先発したエルナネス(右)。守備では狙い通りにフィルター機能を果たしたが、攻撃では何もできなかった。(C)Alberto LINGRIA

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 結論から言えば、内容的には0-0が妥当な試合だった。両チームとも、勝利を手に入れるに相応しいだけのパフォーマンスを見せられなかったからだ。
 
 試合そのものは、ユベントスが終始主導権を握り、ミランは守勢に回ってカウンターを狙うという展開だった。
 
 しかし、攻勢に立ったユーベは決定的な違いを作り出すだけのクオリティーをチームとしての個の力としても出せなかった。
 
 またミランは守備こそそれなりに機能したものの、そこから攻撃に割くリソースがほとんど残っておらず、散発的なカウンターから偶然のチャンスを一、二度作り出しただけだった。
 
 実際、決定機らしい決定機は両チーム合わせても片手に余るほど。勝負の分かれ目となったディバラの決勝ゴールも、完全に崩しきったというよりは、FKのこぼれ球を拾っての二次攻撃という半ば偶然の状況を、A・サンドロのスピードによって活かしたものだった。
 
 こうした煮え切らない試合展開になった最大の理由は、地力で上回るユーベの攻撃が機能しなかったことにある。そもそも、アッレグリ監督の戦術的選択自体、私には理解しかねるものだった。
 
 ミランが実質4-5-1と言うべき4-3-3で受けに回ることは、アッレグリ監督にも十分予想がついていたはずだ。それに対してあえて4-3-1-2というシステムを選んだ理由は、いったいどこにあったのだろうか。
 
 4-5-1で中央を厚くした相手を崩すうえで最も有効なのは、サイドを深くえぐること(それは決勝ゴールの場面にも表れている)。そのためにはトップ下を置いて中央のゾーンに人数をかけた4-3-1-2よりは、ウイングとSBの連携でサイドから崩す4-3-3の方が少なくとも理屈の上では有効だ。そのうえ、ユーベはこのところその4-3-3でそれなりの結果を積み重ねていた。
 
 それを選ばなかったとすれば、ウイングの切り札であるクアドラードのコンディションがあまり良くなかったという戦力的な理由か、あるいはあえて4-3-1-2を使うべき戦術的な理由かのどちらかだろう。
 
 もし後者だとすれば考えられるのは、前線を2トップ+トップ下という構成にすることで、敵のCBペアだけでなくレジスタ(司令塔)のモントリーボにもプレッシャーをかけてビルドアップの起点を潰し、高い位置でボールを奪っての逆襲を仕掛けようという狙い。
 
 実際、たしかにトップ下のエルナネスは守備の局面では最初のフィルターとして機能した。しかし肝心の攻撃においては、球離れが悪いうえにパスワークにタイミングの感覚が欠けており、展開のリズムを崩し攻撃を停滞させる場面が目立った。
 
 ハーフタイムでの交代は故障によるものと伝えられているが、戦術的な理由による交代だったとしてもまったく不思議はない出来の悪さだった。
 
【写真で振り返るユベントス対ミラン】

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