【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「もはやお馴染みとなった“空虚”な終盤投入」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2015年11月25日

もし今の起用法が純粋に実力/戦術的な側面だけが理由ならば…。

4-3-3でも4-4-2でも最大のライバルはこのチェルチ(左)。システム変更によって本田の状況が激変するとは思えない。(C)Alberto LINGRIA

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 本田に関して言えば、もちろん自己責任の部分は大きい。開幕から4-3-1-2のトップ下でレギュラーを任されながら、まったくもって期待に応えられなかった。
 
 しかし、あれからすでに2か月以上が経過している。いま一度、試してみてもいいはずだ。もし今の起用法が、純粋に実力/戦術的な側面だけが理由ならば――。
 
 不甲斐ないチームの姿に、オーナーのシルビオ・ベルルスコーニは怒り狂っている。この絶対君主はミハイロビッチがミランに大きな激震をもたらすことを期待していたが、いつまで経っても変化が起こらないことに、業を煮やしつつある。
 
 ユベントス戦前の5試合は3勝2分けとまずまずの結果が出ていたし、前述した通りラツィオ戦は大きな期待を抱かせる内容だった。しかし、ユベントス戦はそれを消し去るほど、あまりに酷すぎた。
 
 現段階でミハイロビッチは監督の地位に踏みとどまっているが、それはまだ彼に期待しているというよりも、経済的な理由が大きい。
 
 前々任者のクラレンス・セードルフと前任者のフィリッポ・インザーギは契約期間内の解任だったため、2人の年俸(前者が250万ユーロ=約3億5000万円、後者が200万ユーロ=約2億8000万円)を来年6月まで払い続けなければいけないのだ。そのうえでミハイロビッチを解任し、新監督を招聘すれば、さらに出費がかさんでしまう
 
 ピッチ上では近いうちに改革が行われると囁かれている。4-3-3からよりバランス重視の4-4-2に移行するというのだ。もちろんこの選択は、攻撃的でスペクタクルなサッカーを愛するベルルスコーニの好みではない。しかし、現時点ではチームを安定させる唯一の策だろう。
 
 本田にとってこのシステム変更による影響は、さほど大きなものではないはずだ。本田がすべきことは、システム(4-3-3では右ウイング、4-4-2では右サイドハーフ)にかかわらず常にサイドで攻守に絡むこと。攻撃ではFWを助け、守備ではDFをカバーすることだ。最大のライバルはいずれにしてもチェルチである。
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