ミランの選手たちは常に“恐怖”に怯えている。
ミランの根本的な問題は、才能豊かでタイプの異なるアタッカーを複数擁していながらも、あまりにシュートが少ないことだ。今シーズンの枠内シュート数は、セリエA20チーム中の17位である。
先のユベントス戦で敵GKジャンルイジ・ブッフォンが最初に枠内シュートをセーブしたのは、なんと93分だった。これは戦力や戦術以上に、メンタリティーの問題が大きいに違いない。
今のミランは先制点を奪われるとたちまち萎縮し、その後はシュートさえも打てなくなってしまう。これまで敗戦した5試合は、どれもそんな展開だった。何しろ先制された試合の敗戦率は、ここまで100パーセントなのだ。
これは選手たちがある種の“恐れ”を抱き、自信を失っているからに他ならない。たった1失点するだけで、それまで1週間続けてきた練習がすべて吹っ飛んでしまうのだ。
近年のミランがビッグゲームに弱いのは、このメンタルタフネス不足が最大の要因だ。ここ3年間でミランがユーベ、インテル、ローマ、ナポリ、ラツィオ、フィオレンティーナなど格上か同格のチームに勝利した回数は、ほんの数える程。そしてそれは今シーズンも続いている。
つまり、カルチョメルカート(移籍市場)に大金を注ぎ込むだけではなく、メンタルに働きかける薬も必要だ。ミランの首脳陣はだからこそ、鬼軍曹として知られるミハイロビッチに白羽の矢を立てた。しかし、現時点ではそれも功を奏していない。
いまでも首脳陣や監督は、相変わらず開幕時と同じようなセリフを唱え続けている。
「目標は変わらない。3位(チャンピオンズ・リーグ出場圏内)に入ることだ」
しかし、こんなチーム状態でどうやってそれを実現するつもりなのか。大いなる謎である。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
先のユベントス戦で敵GKジャンルイジ・ブッフォンが最初に枠内シュートをセーブしたのは、なんと93分だった。これは戦力や戦術以上に、メンタリティーの問題が大きいに違いない。
今のミランは先制点を奪われるとたちまち萎縮し、その後はシュートさえも打てなくなってしまう。これまで敗戦した5試合は、どれもそんな展開だった。何しろ先制された試合の敗戦率は、ここまで100パーセントなのだ。
これは選手たちがある種の“恐れ”を抱き、自信を失っているからに他ならない。たった1失点するだけで、それまで1週間続けてきた練習がすべて吹っ飛んでしまうのだ。
近年のミランがビッグゲームに弱いのは、このメンタルタフネス不足が最大の要因だ。ここ3年間でミランがユーベ、インテル、ローマ、ナポリ、ラツィオ、フィオレンティーナなど格上か同格のチームに勝利した回数は、ほんの数える程。そしてそれは今シーズンも続いている。
つまり、カルチョメルカート(移籍市場)に大金を注ぎ込むだけではなく、メンタルに働きかける薬も必要だ。ミランの首脳陣はだからこそ、鬼軍曹として知られるミハイロビッチに白羽の矢を立てた。しかし、現時点ではそれも功を奏していない。
いまでも首脳陣や監督は、相変わらず開幕時と同じようなセリフを唱え続けている。
「目標は変わらない。3位(チャンピオンズ・リーグ出場圏内)に入ることだ」
しかし、こんなチーム状態でどうやってそれを実現するつもりなのか。大いなる謎である。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。