【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「もはやお馴染みとなった“空虚”な終盤投入」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2015年11月25日

ミランの選手たちは常に“恐怖”に怯えている。

選手たちのメンタル改革を期待されて招聘されたミハイロビッチだが、いまのところその効果は出ていない。(C)Getty Images

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 ミランの根本的な問題は、才能豊かでタイプの異なるアタッカーを複数擁していながらも、あまりにシュートが少ないことだ。今シーズンの枠内シュート数は、セリエA20チーム中の17位である。
 
 先のユベントス戦で敵GKジャンルイジ・ブッフォンが最初に枠内シュートをセーブしたのは、なんと93分だった。これは戦力や戦術以上に、メンタリティーの問題が大きいに違いない。
 
 今のミランは先制点を奪われるとたちまち萎縮し、その後はシュートさえも打てなくなってしまう。これまで敗戦した5試合は、どれもそんな展開だった。何しろ先制された試合の敗戦率は、ここまで100パーセントなのだ。
 
 これは選手たちがある種の“恐れ”を抱き、自信を失っているからに他ならない。たった1失点するだけで、それまで1週間続けてきた練習がすべて吹っ飛んでしまうのだ。
 
 近年のミランがビッグゲームに弱いのは、このメンタルタフネス不足が最大の要因だ。ここ3年間でミランがユーベ、インテル、ローマ、ナポリ、ラツィオ、フィオレンティーナなど格上か同格のチームに勝利した回数は、ほんの数える程。そしてそれは今シーズンも続いている。
 
 つまり、カルチョメルカート(移籍市場)に大金を注ぎ込むだけではなく、メンタルに働きかける薬も必要だ。ミランの首脳陣はだからこそ、鬼軍曹として知られるミハイロビッチに白羽の矢を立てた。しかし、現時点ではそれも功を奏していない。
 
 いまでも首脳陣や監督は、相変わらず開幕時と同じようなセリフを唱え続けている。
 
「目標は変わらない。3位(チャンピオンズ・リーグ出場圏内)に入ることだ」
 
 しかし、こんなチーム状態でどうやってそれを実現するつもりなのか。大いなる謎である。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。

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