【セルジオ越後の天国と地獄】「最優秀選手」や「ベストイレブン」の12人について個別に言及。「青山の最優秀選手賞は、キャプテンが大好きな国“日本”を象徴していたよ」
カテゴリ:連載・コラム
2015年12月22日
「レッズを動かしていたのは柏木。彼がベストイレブンに入らなかったのが不思議で仕方ないよ」
最後に「Jリーグベストイレブンの選考」について話したい。
まず、第1ステージを制して、年間勝点2位だったレッズの選手が少なかったように思う。特にボランチの柏木陽介は、ベストイレブンに入らなかったのが不思議で仕方ないよ。レッズを動かしていたのは柏木。パフォーマンスから考えれば、レッズから選ばれるべきだったのは、GK西川と柏木だったんじゃないかな。
それから、浦和の関根貴大も良い選手だね。あれだけの攻撃力を備え、あれだけ点が取れるウイングバックはもっと評価していい。ただ持ち上がってクロスを上げるのではなく、あくまでもゴールを意識してプレーするという意味で、サイドの教材となる選手だよ。
同じくサイドの選手では、広島のミキッチもベストイレブンに匹敵する存在だった。激しいアップダウンをしながら、彼ほど積極的に仕掛け、アシスト能力を有した選手は少ない。川崎のエウシーニョは、よりゴールに絡む動きが特長で主にウイングバックでプレーしながら8ゴールをマークしている。
ミキッチやエウシーニョは、少なくとも「優秀選手賞」に値する。実際はどちらも選出されていないけど、できるだけ日本人を選びたいという意識が働くのかな。
日本人にないモノを持っている選手が「ベストイレブン」に選ばれ、「優秀選手賞」を受賞すると、「俺もああいうプレーをすれば選ばれる」という良いお手本になる。
『こういうプレーをしたから選出した』という明確なメッセージが伝われば、永遠の課題とも言われる得点力不足を改善するうえで、有効な手立てになると思うよ。