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澤穂希の才能と人間性はいかにして作られたのか? 原点と言うべき府ロクから「なでしこジャパン」までを辿る

カテゴリ:日本代表

早草紀子

2015年12月18日

北京からロンドンまでを勝負の4年間と捉える。

2012年のロンドン五輪では、惜しくも銀メダルに終わったが、前年のワールドカップ優勝に続き、日本女子サッカーのレベルアップを印象づける結果をもたらした。(C) Getty Images

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 加藤はこの08年を最後に、そして原は翌09年シーズンをもって現役を退いた。このふたり以外にも、北京五輪後、多くの仲間が第一線から姿を消していった。それでも、澤は自身の伸びしろに賭けた。北京での世界4位という成績に確かな手応えを感じ取っていたからだ。
 
 この時、澤は30歳。次のロンドン五輪までの4年間を、選手として最後の勝負を賭ける重要な期間、まさに勝負の4年と見据えたのだ。そして、その決断は間違っていなかった。代表ではもう一度、ゼロからのチーム作りとなったが、どんな苦境にも屈することなく、目の前の戦いに挑み続けた。そして迎えた2011年夏のワールドカップである。
 
「メンバーを見た時、ドイツやアメリカに勝つなら今しかないと思った。絶対にメダルが獲れると確信できたんです」という直感は正しかった。
 
 しかし、世界との差が埋まったわけではない。だからこそ、歩みを止めるわけにはいかないのだ。「欲が出てきた」という澤が新たな目標に掲げたのはロンドン五輪での金メダル獲得である。
 
 集大成となる勝負の一年が、まもなく始まる――。(本文敬称略)
 
※『週刊サッカーダイジェスト』2012年1月10日・17日合併号より転載
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