アメリカ戦後は「本当に悔いなくやりきった気持ち」
5万3341人が見守るなかで行なわれた4年越しの頂上決戦は、予想もしなかったフィナーレを迎えた。
「USA! USA!」
地鳴りのような大歓声がスタジアムを震わせる。そんななかで喫した立ち上がり3分の失点は、今大会で日本が初めて許した先制点だった。しかも、PKを除き、前回大会からここまで一度も許していなかったセットプレーからの失点を、わずか4分でふたつも喫した。
その動揺は少なからずあったかもしれない。立て直す間もなく、ロイドのロングシュートなどで16分までに4失点。悪夢のような時間は続いた。しかし、4点のビハインドを追ってもなお、選手達は諦めていなかった。
「チャンスは作れていたので、もう駄目だとは思っていなかったです」(宮間)
「不思議とこのまま負けるという感じは全然しなくて、取り返せる感じがありました」(川澄)
根拠のない自信ではない。多くの選手は4年前、困難な状況から劇的な優勝を遂げたあの一日を経験している。また、今大会は決勝まですべて1点差で勝ち抜き、その勝負強さを改めて証明してみせた。そしてなにより、一人ひとりに、チームと仲間への絶対的な信頼があった。
4年前の大舞台でドラマの主役となった澤の登場は、再びピッチ上でなにかが起こることを予感させた。6度目にして自身最後のワールドカップであることを明言していた澤は、大儀見のゴールで1点を返した後の33分からピッチに登場。3点ビハインドの状況で、長い黒髪をなびかせながら凛とした表情でピッチに立つ背番号10の背中は、いつになく大きく見えた。
52分には、セットプレーから澤が競り合い、相手のオウンゴールを誘って2点差とする。このゴールが流れを再び日本に引き寄せたかに見えたが、その後に再び失点。逆転は苦しい状況だったが、なでしこは最後まで諦めない姿勢を見せ、その中心にはやはり澤がいた。
79分には、アメリカのレジェンドであり、親友でもあるワンバックがピッチに立つ。ピッチ上でふたりは握手を交わし、マッチアップした。82分には、イエローをもらいながらも決定的な場面でワンバックのドリブルを阻止。最後の一瞬まで泥臭く身体を張り続けた澤は、試合後「本当に悔いなくやりきった気持ちです」とコメントした。
「USA! USA!」
地鳴りのような大歓声がスタジアムを震わせる。そんななかで喫した立ち上がり3分の失点は、今大会で日本が初めて許した先制点だった。しかも、PKを除き、前回大会からここまで一度も許していなかったセットプレーからの失点を、わずか4分でふたつも喫した。
その動揺は少なからずあったかもしれない。立て直す間もなく、ロイドのロングシュートなどで16分までに4失点。悪夢のような時間は続いた。しかし、4点のビハインドを追ってもなお、選手達は諦めていなかった。
「チャンスは作れていたので、もう駄目だとは思っていなかったです」(宮間)
「不思議とこのまま負けるという感じは全然しなくて、取り返せる感じがありました」(川澄)
根拠のない自信ではない。多くの選手は4年前、困難な状況から劇的な優勝を遂げたあの一日を経験している。また、今大会は決勝まですべて1点差で勝ち抜き、その勝負強さを改めて証明してみせた。そしてなにより、一人ひとりに、チームと仲間への絶対的な信頼があった。
4年前の大舞台でドラマの主役となった澤の登場は、再びピッチ上でなにかが起こることを予感させた。6度目にして自身最後のワールドカップであることを明言していた澤は、大儀見のゴールで1点を返した後の33分からピッチに登場。3点ビハインドの状況で、長い黒髪をなびかせながら凛とした表情でピッチに立つ背番号10の背中は、いつになく大きく見えた。
52分には、セットプレーから澤が競り合い、相手のオウンゴールを誘って2点差とする。このゴールが流れを再び日本に引き寄せたかに見えたが、その後に再び失点。逆転は苦しい状況だったが、なでしこは最後まで諦めない姿勢を見せ、その中心にはやはり澤がいた。
79分には、アメリカのレジェンドであり、親友でもあるワンバックがピッチに立つ。ピッチ上でふたりは握手を交わし、マッチアップした。82分には、イエローをもらいながらも決定的な場面でワンバックのドリブルを阻止。最後の一瞬まで泥臭く身体を張り続けた澤は、試合後「本当に悔いなくやりきった気持ちです」とコメントした。