2012年・ガンバ大阪――シーズンを象徴する敗北

ひとたび歯車が狂うと、落ちるはずのないチームが落ちた……。悪夢を味わったG大阪だが、それから2年後、この反省を活かし、昇格1年目で三冠という偉業を達成した。 (C) SOCCER DIGEST
■Case.5 ガンバ大阪
2012年12月1日・ヤマハ
第34節
磐田 2-1 G大阪
刻々と時間だけが過ぎていく。
ロスタイムは4分。1-2と追い込まれたG大阪は、CBの中澤聡太を前線に上げるパワープレーも実らず、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響く。その瞬間、クラブ史上初となるJ2降格が決まった。
「この試合が今季を象徴していた。自分たちの力不足だった」(家長昭博)
自力で残留がないG大阪にとって、この磐田戦では絶対に勝利が求められた。
そんな大一番にかかわらず、開始わずか5分にあっさり失点。ゴールが必要なG大阪は前線からボールを追い、果敢に仕掛けたが、前半のシュートはわずか2本と調子が上がらない。
後半に入るとようやくギアが入り、53分に倉田秋の鮮やかなゴールで同点に追いつく。
ここから一方的なG大阪ペースとなり、追加点のチャンスが何度も訪れた。しかし、「決め切れなかったというひと言に尽きる」(二川孝広)。結局、終盤に左サイドから崩され、最後は小林裕紀に決勝点を奪われてしまった。
チャンスを活かせず、逆にスキを突かれて敗戦。今季何度も見た光景が、そこにあった。
(週刊サッカーダイジェスト2012年12月18日号)
――◇――◇――
20年以上のJリーグの歴史において、降格を経験していないクラブのほうが明らかに少ない。現時点で「オリジナル10」では清水の他、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、名古屋グランパス、そして途中昇格組ではアルビレックス新潟、サガン鳥栖、そして松本山雅だけであり、残留し続けることの難しさがここからも分かる。
黎明期からトップリーグに留まり続けるクラブの減少は、残念であり、寂しいことでもある。とはいえ、あらゆるものに“栄枯盛衰”はつきまとうもので、これもJリーグが歴史を積み重ねていることの証明であると言えよう。
崖っぷちの清水は、オリジナル10から6番目の降格チームとなるのか、あるいはここから踏ん張るのか――。
ちなみに、降格後のオリジナル10が歩んだ道のりは三者三様だ。
千葉や東京Vのように一度降格してからは、昇格できずにいたり、昇降格を繰り返したりするクラブがある一方で、浦和は再昇格後に様々なタイトルを獲得し、G大阪は再昇格のシーズンに三冠を達成するなど、クラブごとに明暗はくっきりと分かれている。
2012年12月1日・ヤマハ
第34節
磐田 2-1 G大阪
刻々と時間だけが過ぎていく。
ロスタイムは4分。1-2と追い込まれたG大阪は、CBの中澤聡太を前線に上げるパワープレーも実らず、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響く。その瞬間、クラブ史上初となるJ2降格が決まった。
「この試合が今季を象徴していた。自分たちの力不足だった」(家長昭博)
自力で残留がないG大阪にとって、この磐田戦では絶対に勝利が求められた。
そんな大一番にかかわらず、開始わずか5分にあっさり失点。ゴールが必要なG大阪は前線からボールを追い、果敢に仕掛けたが、前半のシュートはわずか2本と調子が上がらない。
後半に入るとようやくギアが入り、53分に倉田秋の鮮やかなゴールで同点に追いつく。
ここから一方的なG大阪ペースとなり、追加点のチャンスが何度も訪れた。しかし、「決め切れなかったというひと言に尽きる」(二川孝広)。結局、終盤に左サイドから崩され、最後は小林裕紀に決勝点を奪われてしまった。
チャンスを活かせず、逆にスキを突かれて敗戦。今季何度も見た光景が、そこにあった。
(週刊サッカーダイジェスト2012年12月18日号)
――◇――◇――
20年以上のJリーグの歴史において、降格を経験していないクラブのほうが明らかに少ない。現時点で「オリジナル10」では清水の他、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、名古屋グランパス、そして途中昇格組ではアルビレックス新潟、サガン鳥栖、そして松本山雅だけであり、残留し続けることの難しさがここからも分かる。
黎明期からトップリーグに留まり続けるクラブの減少は、残念であり、寂しいことでもある。とはいえ、あらゆるものに“栄枯盛衰”はつきまとうもので、これもJリーグが歴史を積み重ねていることの証明であると言えよう。
崖っぷちの清水は、オリジナル10から6番目の降格チームとなるのか、あるいはここから踏ん張るのか――。
ちなみに、降格後のオリジナル10が歩んだ道のりは三者三様だ。
千葉や東京Vのように一度降格してからは、昇格できずにいたり、昇降格を繰り返したりするクラブがある一方で、浦和は再昇格後に様々なタイトルを獲得し、G大阪は再昇格のシーズンに三冠を達成するなど、クラブごとに明暗はくっきりと分かれている。