【回想】「オリジナル10」5チームのJ2降格の瞬間――週刊SDの記事で振り返る

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2015年10月16日

2012年・ガンバ大阪――シーズンを象徴する敗北

ひとたび歯車が狂うと、落ちるはずのないチームが落ちた……。悪夢を味わったG大阪だが、それから2年後、この反省を活かし、昇格1年目で三冠という偉業を達成した。 (C) SOCCER DIGEST

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■Case.5 ガンバ大阪
 
2012年12月1日・ヤマハ
第34節
磐田 2-1 G大阪
 
 刻々と時間だけが過ぎていく。
 
 ロスタイムは4分。1-2と追い込まれたG大阪は、CBの中澤聡太を前線に上げるパワープレーも実らず、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響く。その瞬間、クラブ史上初となるJ2降格が決まった。
 
「この試合が今季を象徴していた。自分たちの力不足だった」(家長昭博)
 
 自力で残留がないG大阪にとって、この磐田戦では絶対に勝利が求められた。
 
 そんな大一番にかかわらず、開始わずか5分にあっさり失点。ゴールが必要なG大阪は前線からボールを追い、果敢に仕掛けたが、前半のシュートはわずか2本と調子が上がらない。
 
 後半に入るとようやくギアが入り、53分に倉田秋の鮮やかなゴールで同点に追いつく。
 
 ここから一方的なG大阪ペースとなり、追加点のチャンスが何度も訪れた。しかし、「決め切れなかったというひと言に尽きる」(二川孝広)。結局、終盤に左サイドから崩され、最後は小林裕紀に決勝点を奪われてしまった。
 
 チャンスを活かせず、逆にスキを突かれて敗戦。今季何度も見た光景が、そこにあった。
 
(週刊サッカーダイジェスト2012年12月18日号)
 
――◇――◇――
 
 20年以上のJリーグの歴史において、降格を経験していないクラブのほうが明らかに少ない。現時点で「オリジナル10」では清水の他、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、名古屋グランパス、そして途中昇格組ではアルビレックス新潟、サガン鳥栖、そして松本山雅だけであり、残留し続けることの難しさがここからも分かる。
 
 黎明期からトップリーグに留まり続けるクラブの減少は、残念であり、寂しいことでもある。とはいえ、あらゆるものに“栄枯盛衰”はつきまとうもので、これもJリーグが歴史を積み重ねていることの証明であると言えよう。
 
 崖っぷちの清水は、オリジナル10から6番目の降格チームとなるのか、あるいはここから踏ん張るのか――。
 
 ちなみに、降格後のオリジナル10が歩んだ道のりは三者三様だ。
 
 千葉や東京Vのように一度降格してからは、昇格できずにいたり、昇降格を繰り返したりするクラブがある一方で、浦和は再昇格後に様々なタイトルを獲得し、G大阪は再昇格のシーズンに三冠を達成するなど、クラブごとに明暗はくっきりと分かれている。

残り4試合で勝ち続けるしかない清水。果たして今週末で6番目の「オリジナル10」降格チームとなるのか、あるいは奇跡を起こすか……。 (C) SOCCER DIGEST

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