テリーの後継者探しは今後の重要なポイント。
山中:チェルシーの「これから」に関連して言うと、僕はテリーの後任探しをどうするのかといったあたりも、ひとつのポイントになってくるのかなと。さすがに来シーズンが最後でしょうし、彼が抜けることでできる穴を埋めるのは簡単じゃない。
田邊:数年前から、背中にずっと故障を抱えてきたことを考えれば、ここまでよく持ったとも言えますね。
山中:ええ、彼は練習も他の選手と別メニューでやってますから。でもモウリーニョの指示がうまくピッチ上に反映されていない時には、いまだにテリーが大声を出してポジション取りやプレーの指示をしている。
その意味でも若手の選手たちは、試合の流れが悪くなった時に、テリー抜きでも態勢を立て直していけるようにならなければいけない。これは世代交代云々という問題と別に、チームの総合力を上げていくことにもつながってくるんです。
それができるようになれば、CLでパリSGに負けてしまったようなケースも減ってくると思いますから。
田邊:テリーも大人になったんですねえ。昔はモウリーニョから渡されたメモをろくに見もしないで、パンツの中にしまったりするようなこともあったのに。
山中:読んだふりをして丸めてピッチに捨てるとかね(笑)。
田邊:まあ、まとめさせてもらえば、来シーズンに向けては、やはりヨーロッパのタイトル奪回に向けたスケールアップと、第二期モウリーニョのチーム作りが真の意味で本格化していくと。
山中:そう思います。実際、これでCLに残っていればシャンパンはもっとおいしくなったはずなんで。
田邊:でも今日くらいは、羽目をはずしてもいいじゃないですか?
山中:ところがそうもいかなくて。まだやり残した仕事が待っているんですよ。
田邊:優勝を決めたばかりなのに、監督が「残り3試合も勝つ」と言っているチェルシーと同じですね。
山中:ハイ。僕はこういったあたりまで含めて、チェルシーと一心同体の『バロム・1』状態だと思ってもらえれば。スミマセン、この喩えもわからない人だらけですね、きっと(苦笑)。
構成・文:田邊雅之
協力:山中忍
【識者プロフィール】
田邊雅之
1965年、新潟県生まれ。『Number』をはじめとして、学生時代から携わっていた様々な雑誌や書籍の分野でフリーランスとして活動を始める。2000年からNumber編集部に所属。プレミアリーグ担当として数々の記事を手がけた後、南アフリカW杯を最後に再びフリーランスとして独立。主な著書に『ファーガソンの薫陶』(幻冬舎)、翻訳書に『知られざるペップ・グアルディオラ』(朝日新聞出版)」等がある。最新の翻訳書は『ルイ・ファンハール 鋼鉄のチューリップ』(カンゼン)。
山中忍
1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、チェルシーのサポーター。
田邊:数年前から、背中にずっと故障を抱えてきたことを考えれば、ここまでよく持ったとも言えますね。
山中:ええ、彼は練習も他の選手と別メニューでやってますから。でもモウリーニョの指示がうまくピッチ上に反映されていない時には、いまだにテリーが大声を出してポジション取りやプレーの指示をしている。
その意味でも若手の選手たちは、試合の流れが悪くなった時に、テリー抜きでも態勢を立て直していけるようにならなければいけない。これは世代交代云々という問題と別に、チームの総合力を上げていくことにもつながってくるんです。
それができるようになれば、CLでパリSGに負けてしまったようなケースも減ってくると思いますから。
田邊:テリーも大人になったんですねえ。昔はモウリーニョから渡されたメモをろくに見もしないで、パンツの中にしまったりするようなこともあったのに。
山中:読んだふりをして丸めてピッチに捨てるとかね(笑)。
田邊:まあ、まとめさせてもらえば、来シーズンに向けては、やはりヨーロッパのタイトル奪回に向けたスケールアップと、第二期モウリーニョのチーム作りが真の意味で本格化していくと。
山中:そう思います。実際、これでCLに残っていればシャンパンはもっとおいしくなったはずなんで。
田邊:でも今日くらいは、羽目をはずしてもいいじゃないですか?
山中:ところがそうもいかなくて。まだやり残した仕事が待っているんですよ。
田邊:優勝を決めたばかりなのに、監督が「残り3試合も勝つ」と言っているチェルシーと同じですね。
山中:ハイ。僕はこういったあたりまで含めて、チェルシーと一心同体の『バロム・1』状態だと思ってもらえれば。スミマセン、この喩えもわからない人だらけですね、きっと(苦笑)。
構成・文:田邊雅之
協力:山中忍
【識者プロフィール】
田邊雅之
1965年、新潟県生まれ。『Number』をはじめとして、学生時代から携わっていた様々な雑誌や書籍の分野でフリーランスとして活動を始める。2000年からNumber編集部に所属。プレミアリーグ担当として数々の記事を手がけた後、南アフリカW杯を最後に再びフリーランスとして独立。主な著書に『ファーガソンの薫陶』(幻冬舎)、翻訳書に『知られざるペップ・グアルディオラ』(朝日新聞出版)」等がある。最新の翻訳書は『ルイ・ファンハール 鋼鉄のチューリップ』(カンゼン)。
山中忍
1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、チェルシーのサポーター。