補強の成功と状況に応じた戦い方ができたこと。
田邊:山中さんから見て、今シーズンのチェルシーが優勝できた要因は、どの辺にあると思いますか?
山中:個人的には2つのポイントが挙げられるのかなと。ひとつ目はチーム補強が順調に進んだことと、もうひとつは、シーズンの前半戦と後半戦で、それぞれ状況に応じて違う戦い方ができた点だと思います。
田邊:じゃあ、まずはチーム補強から解説してもらえますか?
山中:もともとチェルシーは昨シーズンも3月の頃までは自力優勝の可能性があったぐらいで、決して悪くはなかった。
でもその時に優勝に届かなかった要因を、夏の移籍市場でさっと埋めることができた。シティを除けば、他のチームがめぼしい補強をしなかったので、夏の補強の時点でいけるかなという予感はありました。ユナイテッドも大型補強は大型補強でしたが、監督自身も補強されちゃっていましたしね。
田邊:セスクとジエゴ・コスタの加入は大きかったですね。
山中:ええ、プレシーズンの時点で、すでに2列目の選手とはかなり馴染んでいましたから。とくにコスタは、モウリーニョが「自分が本当に欲しいストライカーが買えるようになるまで待つ」と言っただけのことはあった。
コスタが2ゴールを決めて、エバートンとの6-3の打ち合いを制した8月(3節)の試合なんかは象徴的だったと思います。攻撃的な色彩を強めた、今シーズン前半の戦い方がよくわかるという意味でも。ゴール数と同じように、ハイペースでイエローカードを貯めていったのは不安でしたけど(笑)。
田邊:そのエバートン戦で、コスタの1点目をアシストしたのがセスクでした。
山中:そう。セスクの加入も相当大きかった。彼がいるのといないのとでは、ポゼッションの質が全く違いますから。
田邊:チェルシーの2列目には、獰猛な獣のような運動能力を誇る人たちが揃っているだけに、後ろにセスクという猛獣使いが控えているのは大事になる。
山中:2列目の連中は90分間、足だけは絶対に止まらないんですけど、緊迫した試合展開になると、時間が経つにつれて本能剥き出しになってくる。でもセスクは90分間、頭が冷静に回転し続けていますから。
田邊:しかもそれでいて、いざとなれば2列目の真ん中も普通にこなせる。モウリーニョは良い補強をしましたね。
山中:正直な話、アーセナルやバルセロナ時代のぎすぎすした関係を考えると、ここまでモウリーニョとうまくいくとは思っていませんでした。当人たちもそう思ってたりするかもしれませんけど(苦笑)。
田邊:モウリーニョとセスクに関しては、一時期、不仲論が囁かれたりしたじゃないですか。たしか3月末だったと思うけど、「ヴェンゲルやグアルディオラと比べても、モウリーニョは最高の監督なのか?」という質問に対して、セスクが明言するのを避けたという記事を『ミラー』が載せたりして。
山中:あの報道の伏線になったのは、CL敗退が決まったパリSG戦の第2レグと、その直後に引き分けに終わったサウサンプトン戦なんですよね。どちらの試合でも攻め駒はなかったわけじゃないし、モウリーニョ自身、勝ちにいきたいとはっきり言っていたのに、結局は中途半端な戦い方をしてしまった。
田邊:パリSG戦なんかは相手が10人。普通に考えれば、負ける試合じゃない。
山中:ええ。しかもセスクが生きる形にもならなかった。あの頃から、セスクとモウリーニョの間に、微妙に噛み合わないような空気が漂ったのは事実で。
田邊:ましてやモウリーニョはオスカールやアザールの次に、チェルシーのプレーメーカーはセスクだと持ち上げていましたから。
山中:個人的には2つのポイントが挙げられるのかなと。ひとつ目はチーム補強が順調に進んだことと、もうひとつは、シーズンの前半戦と後半戦で、それぞれ状況に応じて違う戦い方ができた点だと思います。
田邊:じゃあ、まずはチーム補強から解説してもらえますか?
山中:もともとチェルシーは昨シーズンも3月の頃までは自力優勝の可能性があったぐらいで、決して悪くはなかった。
でもその時に優勝に届かなかった要因を、夏の移籍市場でさっと埋めることができた。シティを除けば、他のチームがめぼしい補強をしなかったので、夏の補強の時点でいけるかなという予感はありました。ユナイテッドも大型補強は大型補強でしたが、監督自身も補強されちゃっていましたしね。
田邊:セスクとジエゴ・コスタの加入は大きかったですね。
山中:ええ、プレシーズンの時点で、すでに2列目の選手とはかなり馴染んでいましたから。とくにコスタは、モウリーニョが「自分が本当に欲しいストライカーが買えるようになるまで待つ」と言っただけのことはあった。
コスタが2ゴールを決めて、エバートンとの6-3の打ち合いを制した8月(3節)の試合なんかは象徴的だったと思います。攻撃的な色彩を強めた、今シーズン前半の戦い方がよくわかるという意味でも。ゴール数と同じように、ハイペースでイエローカードを貯めていったのは不安でしたけど(笑)。
田邊:そのエバートン戦で、コスタの1点目をアシストしたのがセスクでした。
山中:そう。セスクの加入も相当大きかった。彼がいるのといないのとでは、ポゼッションの質が全く違いますから。
田邊:チェルシーの2列目には、獰猛な獣のような運動能力を誇る人たちが揃っているだけに、後ろにセスクという猛獣使いが控えているのは大事になる。
山中:2列目の連中は90分間、足だけは絶対に止まらないんですけど、緊迫した試合展開になると、時間が経つにつれて本能剥き出しになってくる。でもセスクは90分間、頭が冷静に回転し続けていますから。
田邊:しかもそれでいて、いざとなれば2列目の真ん中も普通にこなせる。モウリーニョは良い補強をしましたね。
山中:正直な話、アーセナルやバルセロナ時代のぎすぎすした関係を考えると、ここまでモウリーニョとうまくいくとは思っていませんでした。当人たちもそう思ってたりするかもしれませんけど(苦笑)。
田邊:モウリーニョとセスクに関しては、一時期、不仲論が囁かれたりしたじゃないですか。たしか3月末だったと思うけど、「ヴェンゲルやグアルディオラと比べても、モウリーニョは最高の監督なのか?」という質問に対して、セスクが明言するのを避けたという記事を『ミラー』が載せたりして。
山中:あの報道の伏線になったのは、CL敗退が決まったパリSG戦の第2レグと、その直後に引き分けに終わったサウサンプトン戦なんですよね。どちらの試合でも攻め駒はなかったわけじゃないし、モウリーニョ自身、勝ちにいきたいとはっきり言っていたのに、結局は中途半端な戦い方をしてしまった。
田邊:パリSG戦なんかは相手が10人。普通に考えれば、負ける試合じゃない。
山中:ええ。しかもセスクが生きる形にもならなかった。あの頃から、セスクとモウリーニョの間に、微妙に噛み合わないような空気が漂ったのは事実で。
田邊:ましてやモウリーニョはオスカールやアザールの次に、チェルシーのプレーメーカーはセスクだと持ち上げていましたから。