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羽ばたいた本田、長友、香川、吉田…指揮官・反町康治は惨敗の北京五輪をどう捉えたか?【名勝負の後日談】

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年06月06日

失意の五輪から3か月間ほどサッカー関係者との連絡を絶ち「気象予報士にでもなろうか…」

日本は3連敗で北京五輪を終えた。しかし、後にこの舞台を経験した選手たちが長きにわたりA代表を支えることになる。(C) Getty Images

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 北京五輪の時点で海外でプレーをしていたのは、本田圭と森本貴幸だけだった。だがまだ蕾だった選手たちは、ここから次々に大輪の花を咲かせていく。輝かしいキャリアを築く香川、内田、長友、岡崎慎司、吉田麻也など18人中11人が欧州でプレーし、8人が6年後のブラジル・ワールドカップに出場を果たした。反町は改めて振り返る。

「国内のクラブレベルとは比較にならないワンプレーの重みを知り、痛い想いをしたことが成長を促した可能性はある。試合に負けたという結果以上に、上には上がいることを知った悔しさの方が大きかったんじゃないかな」

 反面反町自身は、もう北京五輪のことは忘れて、サッカー界から身を引こうと思い悩んだ。3か月間ほどはサッカー関係者との連絡を絶ち「気象予報士にでもなろうか、カフェでもやろうか…」などと考えていたという。

「でもカミさんに、いつまでも家にいないでよ、と言われてね。ちょうどそんな時に、スポーツ新聞でホッフェンハイムの記事を見つけた」

 小さな街で大躍進を遂げたクラブに1か月間ほど張りつき「こんなチームなら引き受けてもいいかな」と考えていたところで、湘南からのオファーを受けた。

 後に反町は、当時JFA専務理事だった田嶋幸三から「あの時のメンバーが本当に頑張ってくれている。感謝しているよ」と言葉をかけられている。結果的に北京の3連敗は若い選手たちの大きな起爆剤となり、未来への効果的な投資となった。

 今年5月、松本山雅FCでの監督生活にピリオドを打った反町は、JFAの技術委員長に就任した。(文中敬称略)

文●加部 究(スポーツライター)
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