• トップ
  • ニュース一覧
  • 羽ばたいた本田、長友、香川、吉田…指揮官・反町康治は惨敗の北京五輪をどう捉えたか?【名勝負の後日談】

羽ばたいた本田、長友、香川、吉田…指揮官・反町康治は惨敗の北京五輪をどう捉えたか?【名勝負の後日談】

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年06月06日

五輪本番を迎えるまでに83人を招集。2段階での強化策を描いて本大会へ

北京五輪の初戦・アメリカ戦のスタメン。本田(後列右端)のほか、長友(前列左端)、香川(同左から2番目)らが名を連ねた。(C) Getty Images

画像を見る

 北京五輪へ向けてのチームが始動したのは、ドイツ・ワールドカップを終えた2006年8月で、イビチャ・オシムが指揮するフル代表とほぼ同時期だった。反町は最初の中国遠征に出かける前にオシムに声をかけられている。

「毎試合、どのポジションでもいいから、おまえが一番良いと思う選手をひとり連れて来てくれ」

 この関係はオシムが倒れ、岡田武史が代表監督を引き継いでからも続いた。本田圭佑を推薦したこともあれば、長友の起用を打診したこともあり、香川真司の場合は岡田から「アイツ、いいな。ちょっと持っていくぞ」と言われた。

 それから反町は、五輪本番を迎えるまでに83人の選手たちを招集して来た。その上で2段階の強化策を描いていた。
「とにかく予選を勝ち抜くことに全神経を傾ける。そして予選を勝ち抜いたら、新しい選手たちを融合させていく。つまり予選は予選、本戦は本戦。いくら将来性があっても、いきなり予選途中の大一番で使うわけにはいかない。残念ながら五輪はしょせん即席チームなんだ」

 予選は長丁場なので、時間をかけてチームを熟成していくことが出来る。しかし予選を突破すれば、成長度合いの著しい選手との入れ替えが進み、場合によってはオーバーエイジで補強する。個々の質は高まるかもしれないが、逆にチームの完成度を追求するのは難しい。

 結局2年間で顔ぶれは大幅に変わった。最初の中国戦に招集され、北京五輪に辿り着いたのは、守護神の西川周作、フィールドプレイヤーでは、本田圭佑、梶山陽平、本田拓也、豊田陽平の5人で、下の世代からは香川、内田篤人らが突き上げ、U-20韓国代表候補の合宿に参加経験を持つ李忠成も日本国籍を取得して早い段階から加わっていた。そして反町は、こうした競争の激化を「むしろ良いこと」とポジティブに捉えていた。

 日本陣営は初戦の相手米国を分析し「オーソドックスで勢いはあるが、十分に勝てる」と読んでいた。実際試合が始まっても、オーバーエイジ3人を加えた米国の前への圧力は弱く、日本はしっかりとボールを回すことが出来ていた。
 
【関連記事】
「マジで衝撃でしたよ」小野、稲本、本山が“一番スゴイ!”と認定した伝説の名手とは?【黄金の記憶】
「サッカーが嫌いに…」「物凄く辛かった」7か月で終焉したファルカンJAPANの真相【名勝負の後日談】
【名勝負の後日談】「ジーコの技は誰にも止められない」82W杯、ブラジル最高傑作のチームはなぜ敗れたのか?<後編>
小野伸二が選ぶJ歴代ベスト11「“魅せる”がコンセプト!でも言い争いが絶えないかも」
【日本代表 隠れ名勝負】世界的名手も驚愕!! 欧州屈指の強豪を撃破したドラゴン久保の一発「日本がこんなに強いとは…」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ