羽ばたいた本田、長友、香川、吉田…指揮官・反町康治は惨敗の北京五輪をどう捉えたか?【名勝負の後日談】

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年06月06日

大事な初戦を落とし、そのまま3連敗…指揮官はロッカールームで何を語ったか?

Jリーグでも存在感を見せ始めていた長友だったが、大舞台での初戦は押し込まれ、指揮官も交代を模索する状況だった。(C) Getty Images

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 最初のビッグチャンスが訪れたのは20分、CKを獲得した日本は、本田圭が内田に短く繋ぎ、内田がニアゾーンへ入れると、本田拓がリターンして、内田が低く速いクロスを送る。一連の流れをダイレクトで通すと、ファーサイドで森重真人がフリーになった。しかし最後の詰めで森重が合わせ損なう。

「セットプレーは5~6種類用意したけれど、あのパターンは最初で最後になった。もしかするとトラウマになったのかもしれない」
 指揮官はそう見ている。

 やはり劣悪条件下で、慎重な入り方をしたのは米国の方だった。深追いをせず早い帰陣を徹底し、ボールを奪えばサイドに展開してクロスを放り込む。確かにオーソドックスで驚きは少なかった。しかし日本も連動の成熟度が不十分なのか、個の仕掛けが目立ち、崩しのパス回しが加速していかない。内田がオープンな右サイドに何度か駆け上がるが、決定機を作れず均衡が保たれたまま前半を終了する。こうした重苦しい流れの中で、日本は後半開始早々に失点した。

 米国は右SBのマーヴェル・ウィンが長友と並走しながら折り返すと、水本裕貴が対応したボールはスチュアート・ホールデンの足もとへ飛んでしまう。ホールデンのシュートは、本田拓の股間とGK西川の脇を抜けてゴールラインへと転がった。

 日本も何度かの同点のチャンスを演出した。特に82分には、巧妙な動き出しでフリーになった本田圭の頭に香川が合わせるが、シュートが枠を外れる。終了3分前には米国のDFモーリス・エドゥが浮き球の処理を見誤り、先に落下点に入った豊田を後ろから引っ張り倒したが、主審はPKを取らずに流してしまう。日本は大事な初戦で1点差に泣いた。

 結局この敗戦が響き、日本は続く2戦も連敗して帰国の途に着く。最後のオランダ戦後のロッカールームで、失意の反町は選手たちに告げた。
「もうオレはこうして海外で試合をすることはないだろうけど、あなた方はこれからもいろんな国際経験を積み重ねていくだろう。10年後に、また会おう」
 

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