イングランド――1966・1990年大会
◇イングランド
・1966年イングランド大会
〇2-1 ポルトガル
最終成績:優勝
「サッカーの母国」であるイングランドだが、そのW杯デビューは惨憺たるものだった。「世界一は自分たちに決まっている」ことを理由に、長く参加を拒否してきた彼らが初めて出場した50年ブラジル大会、アマチュア集団のアメリカに敗北を喫し、早期敗退を喫したのだ。
そこからはベスト8、リーグ敗退、ベスト8という成績。他国の進歩についていけず、大会のたびに凋落ぶりを晒していたが、66年大会が自国で開催されることが60年に決まると、63年に監督に就任したラムゼーの下、強化に努めてチーム力を上げ、本大会ではグループリーグを首位突破、準々決勝では粗暴なアルゼンチンをハーストのゴールで下し、初の準決勝進出を果たした。
エウゼビオがゴールを量産していたポルトガルとウェンブリーで対峙した一戦、イングランドはエースのB・チャールトンが30分にこぼれ球を詰めて先制、終了10分前にもB・チャールトンがハーストのアシストを受け、ゴール左隅に突き刺す。その2分後にDFのハンドでPKを与え、エウゼビオに決められるも、リードを保ち、ついに決勝へ到達した。
西ドイツとの決勝では、シーソーゲームの末に2-2から延長に突入。101分にハーストがいまだに論争の的となっているクロスバーを叩くシュートで勝ち越しゴールを決め、さらに120分にはハットトリックを達成。西ドイツを振り切って初の世界制覇を果たした。
・1966年イングランド大会
〇2-1 ポルトガル
最終成績:優勝
「サッカーの母国」であるイングランドだが、そのW杯デビューは惨憺たるものだった。「世界一は自分たちに決まっている」ことを理由に、長く参加を拒否してきた彼らが初めて出場した50年ブラジル大会、アマチュア集団のアメリカに敗北を喫し、早期敗退を喫したのだ。
そこからはベスト8、リーグ敗退、ベスト8という成績。他国の進歩についていけず、大会のたびに凋落ぶりを晒していたが、66年大会が自国で開催されることが60年に決まると、63年に監督に就任したラムゼーの下、強化に努めてチーム力を上げ、本大会ではグループリーグを首位突破、準々決勝では粗暴なアルゼンチンをハーストのゴールで下し、初の準決勝進出を果たした。
エウゼビオがゴールを量産していたポルトガルとウェンブリーで対峙した一戦、イングランドはエースのB・チャールトンが30分にこぼれ球を詰めて先制、終了10分前にもB・チャールトンがハーストのアシストを受け、ゴール左隅に突き刺す。その2分後にDFのハンドでPKを与え、エウゼビオに決められるも、リードを保ち、ついに決勝へ到達した。
西ドイツとの決勝では、シーソーゲームの末に2-2から延長に突入。101分にハーストがいまだに論争の的となっているクロスバーを叩くシュートで勝ち越しゴールを決め、さらに120分にはハットトリックを達成。西ドイツを振り切って初の世界制覇を果たした。
・1990年イタリア大会
△1(3PK4)1 西ドイツ
最終成績:4位
「ヘイゼルの悲劇」でクラブレベルではいまだ欧州の舞台から締め出しを食らっているなかで迎えた大会。戦前はチームのことよりも、会場となるサルデーニャ島のフーリガン対策ばかりが話題となるなど、イングランドは「悪役」だった。
グループリーグでは2戦を終えて4チームが全ての数字で並ぶという激戦のなか、キャプテンのロブソンが負傷で戦線を離脱するというアクシデントに見舞われたが、ここからチームは上昇し、エジプトを下して首位突破を果たした。
決勝トーナメントでは、1回戦でガスコインらの活躍によりベルギーと好勝負を展開し、延長戦でプラットが芸術的ボレー弾を決めて劇的勝利。準々決勝では、この大会で猛威を振るったカメルーンにリードを許すも、リネカーの2ゴールで逆転勝利を飾った。
そして西ドイツとの準決勝。ここでも、イングランドは時に相手を圧倒するプレーを見せたが、FKでブレーメの蹴ったボールがDFパーカーに当たり、激しくドロップしてGKシルトンの頭上を越すという不運なかたちで先制点を献上する。
しかし終盤、パーカーが入れた縦パスを西ドイツDF陣が処理しそこねるところをリネカーが拾い、巧みなシュートをゴール右隅に流し込んで同点。その後、互いにポストを直撃するようなシュートを放ちながらも得点には至らず、決着はPK戦に持ち込まれた。
両チームともに3人が決めた後、先攻のイングランドはピアースが蹴ったややコースの甘いシュートをGKイルクナーが足で弾き出す。そして決めなければ敗退の5人目、ワドルが思い切り蹴ったボールは、クロスバーを越えていった。シルトンはほとんどのキッカーの蹴る方向を読んでいたが、しっかり隅に飛ぶボールに、40歳の守護神の手は届かなかった。
大いに失望を味わったイングランドだったが、同じ運命を辿った開催国イタリアとの3位決定戦では、互いに積極的に攻め合う見どころ満載の好ゲームを展開。最後はスキラッチに得点王決定のPKを決められて1-2で敗れたものの、試合後は両チーム仲良く表彰台でウェーブを披露するなど、爽やかに大会を後にした。
【写真】勝ち上がってきたロシアW杯の4強――過去の準決勝での激闘録