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日本サッカーに寄り添い続けた28年──ゲルト・エンゲルスの“源流”と手に入れた“最高の栄誉”

カテゴリ:特集

高村美砂

2018年02月20日

私は多くの子どもたちのために信念をもって活動します

石巻の空き家で寝泊まりし、ドイツ人の仲間と活動に勤しむエンゲルス氏。左手にはおにぎりが。

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 震災が起きた2011年の12月。エンゲルス氏は、日独少年交流活動を実施。11名のサッカー少年と指導者2名で構成するサッカーチームをドイツに呼び寄せ、現地で行なわれるインドアの大会に参加させている。
 
 その際は移動費をルフトハンザ航空にサポートしてもらい、現地での宿泊先は自身の家を提供するなど、その多くは『手弁当』だったが、そうした交流活動も今回のノミネートで得た賞金を活用し、より積極的に行ないたいとエンゲル氏は言う。
 
「私も日本のサッカーにたくさん、助けてもらいました。だから、私も日本のサッカーを助けたい。恩返しをしたい。ヴィッセル神戸を強くするためのサポートももちろん、大事です。持っている力をすべて出し切って仕事をします。その空いている時間を使って、ほんの少しの力にしかならないかもしれないけど、私は多くの子どもたちのために信念をもって活動します」
 
 1990年の来日から28年。指導者としてだけではなく、『フットボールプレーヤー』として取り組んできたエンゲルス氏の活動は、これから先もより大きな熱を持って続けられていくことだろう。フットボールを愛する多くの『仲間』の心に寄り添いながら。
 
取材・文●高村美砂(フリーライター)
 
───◆───◆───
 
PROFILE/ゲルト・エンゲルス 1957年4月26日生まれ。現役時代はボルシア・メンヘングラッドバッハでプレー。引退後はアーヘン大学、ケルン体育大学で学びながら少年サッカーなどの指導にあたる。ケルン体育大学在学中に校内に張り出されていた「日本でサッカーをやりたいひと募集」という張り紙を見て来日を決意。90年1月にアセノ・スポーツクラブ(水戸ホーリーホックの前身)に入団し士、選手兼コーチに。91年には兵庫県の名門・滝川第二高等学校の特別コーチとなり、Jリーグ発足と同時に横浜フリューゲルスのコーチに就任した。以降もジェフユナイテッド千葉、京都サンガ、浦和レッズなどで監督やコーチを歴任し、指導者としては5度、天皇杯優勝を経験している。今年から氏が滝川二高時代にスカウトした吉田孝行氏が監督を務めるヴィッセル神戸のヘッドコーチに就任した。
 
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