いざ、38回目の選手権へ…名伯楽、小嶺忠敏のイズムと真髄(後編)

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年12月25日

子どもたちには思い切り実力を出し切ってほしいね

長崎県民の夢を乗せ、初めてのJ1に臨むV・ファーレン。小嶺監督も大きな期待を寄せている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 今年は長崎サッカー界にとって大きな転換点となった。小嶺先生も立ち上げから関わってきたV・ファーレン長崎が初のJ1昇格を果たし、チームを率いるのは教え子の高木監督だ。「J2のサッカーをしとるからね。J1に上がってどうなるかが不安だけど、ぜひとも戦い抜いてほしい。みんなの願いが込められている」と厳しくも温かいエールを贈る。
 
 そしてもちろん、12月30日に開幕する選手権本大会で長崎総科は、ひとつでも上の高みを目ざす。絶対に狙っているはずだが、夏のリベンジに燃える選手たちとは異なり、好々爺は最後まで優勝の二文字を口にしなかった。
 
「まあそこまでのチームじゃないよ。ぜんぜん力が足りていない。ただ、全国に出ても恥ずかしくないチームには育てたし、戦える力はあると思う。子どもたちには思い切り実力を出し切ってほしいね。それで結果がついてくれば御の字だよ」
 
 別れ際、いつも電話ばかりするのも迷惑だからメールで連絡してもいいですか、と訊くと、おもむろにガラケーを取り出してこう答えた。
 
「いやいや、電話でいい。なるだけ出るようにしとるから。それでも忙しくて出れんときは、留守電に入れといてくださいと言う。ショートメールでもいいです、でも打ち返せないのであしからず、ってな具合でね」
 
 大声で笑う、高校サッカー界の巨匠。この笑顔を見たい、深みのある言葉を聞きたいから、ついつい現場に足を運んでしまう。長崎総科の1回戦は、中京大中京が相手だ。会場は自宅から3時間はかかるフクダ電子アリーナ。真剣に、悩んでいる。
 
<了>
 
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
※前編はこちら
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