いざ、38回目の選手権へ…名伯楽、小嶺忠敏のイズムと真髄(後編)

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年12月25日

戦友であり、ライバルだった。どちらも一番のね

九州だけでなく、幾度となく日本一の覇権も争った国見と鹿児島実。今年8月に亡くなった“戦友”への想いを明かしてくれた。(C)SOCCER DIGEST

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 今年8月、ともに九州の高校サッカー界を牽引してきた鹿児島実の松澤隆司総監督が逝去された。小嶺さんは遠征のため通夜と告別式には出席できず、後日ゆっくりと松澤さん宅を訪れ、夫人、ご子息と長らく昔話に花を咲かせたという。
 
 夕焼けに染まるグラウンドを眺めながら、とめどなく、友への想いを語った。
 
「もうなんていうかな、戦友であり、ライバルだった。どちらも一番のね。奥さんにも『敵同士だったけど、ずっと友だちでしたもんね』と言ってもらって。いまの九州は高校サッカーが引っ張ってきたからこそあるのであって、松澤先生や藤井(正訓/元福岡商監督)先生といった方々の尽力があったから。こないだも九州の新人戦を従来のリーグ戦からトーナメント戦にしようという話が出てね。運営が大変だからと。でも、そうじゃない。もともと弱かった九州を強くしよう、みんなで協力し合おう、せっかく集まるんだからひとつでも多く試合をしようというところで、長い歳月をかけて作り上げてきたものだ。中国の故事にね、賢人は歴史を語り、愚人は経験を語る、というのがある。歴史や先達からもっと学んでほしい。中学校から能力の高い子を獲ってきて、いいチームを作って、まるで自分ひとりの力で結果を出したような態度をとる指導者がいる。小学校、中学校の指導者に対する敬意を欠いてだ。気になることがすごくたくさんある」
 
 本当にそうなんだ、と話して、ゆっくり頷く。少しだけ寂しげに見えたのは、気のせいだろうか。

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