• トップ
  • ニュース一覧
  • 中村俊輔に聞いた大成するための秘訣――ボール拾い時代の高校1年時に取り組んだこととは?

中村俊輔に聞いた大成するための秘訣――ボール拾い時代の高校1年時に取り組んだこととは?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年08月19日

自主練にハマっていたら俺は止められたくない。一番伸びている瞬間だから。

38歳となった現在もJ屈指のテクニックと戦術眼で、中村は眩い輝きを放っている。(C) SOCCER DIGEST

画像を見る

――中学卒業後は、横浜マリノスのジュニアユースからユースに昇格できず、桐光学園高に進学しました。
 
 ボール磨きとかライン引きとかは初めての経験だったよね。ジュニアユースではなかった上下関係が部活にはある。正直に言えば、最初は選択を間違えたと後悔しそうになったけど、先輩の小林さん(稔/現・磐田コーチ)を見て考えが変わった。
 
 桐光は朝練がないのに、小林さんは自主的に朝早く練習に来て、筋トレとかをやっている。キャプテンで、関東選抜に選ばれるほどの実力者でもここまでやるんだと、その背中を見て、自分ももっともっと練習しなければならないと思った。
 
――ただ、高校の部活の1年は思うように練習できないのでは?
 
 ボール拾いとかね。一緒に練習をさせてもらえないから、そうなると、始業前の朝と、放課後の練習が終わった後の自主練しかない。その時にどれだけ自分を磨くか。ある意味、そこが原点でもあるかな。
 
 まずは、自分に何が足りないかを客観的に見る。まだ当時は身体も小さくて、それでもボールを取られないようにするにはどうすればいいかを考えて、ならば相手の逆を突こう、と。それでひとつ上の先輩と、1対1ばっかりやっていた。あとは、ひと回り小さいリフティングボールを使って技術を高めたりとか。
 
 高2になったら、だんだん背も伸びてきて、3年生に対しても思うようにプレーできるようになった。そうしたら国体に選ばれ、関東選抜に入り、1回戦で負けたけど選手権にも出場して、高校選抜に選出された。高3ではU-19代表に選ばれたりと、一気に階段を上っていった。自分でも驚くほどだったけど、その時の成功体験があるから、こういう時はこうすればいいんだ、試合に出られないからこそ伸びるチャンスなんだって、成長するためのコツが分かったのは大きかった。
 
――自分で練習できる環境を作り出し、課題をいかに克服するかを考え、トレーニングに打ち込む。そういう自主練が原点だ、と。
 
 落合さん(博満/元プロ野球選手)の本にも書いてあったけど、自主練に集中して、ハマっている選手を止めてはいけないって。それは俺も思う。止められたくないし、そこが一番、伸びている瞬間だから。自分の感覚を養う時間だよね。
 
――感覚、ですか?
 
 一瞬一瞬での判断が求められるサッカーでは、感覚が本当に重要になってくる。あるシチュエーションを想定したパターン練習ももちろん必要だけど、味方がこう動いているからあそこを狙って蹴りましょう、だけではなく、蹴った瞬間の感覚や、顔を上げるまでの時間の感覚とかを研ぎ澄ませたい。自分だけの感覚を磨く。それは忘れないでいてほしい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 

8月10日発売号のサッカーダイジェストは、「プロフットボーラ―の育て方」を特集。自分の子どもをプロフットボーラ―に育てるなら、どんなルートがあり、どれだけの費用が必要で、またキャラクター(性格)によって育成法は異なるのか。そうした疑問にお答えする特集になっています。インタビューは、中村俊輔選手と和泉竜司選手。さらに中村憲剛選手、大谷秀和選手が子育て論も掲載。クラブダイジェストはガンバ大阪です。

画像を見る

【関連記事】
「世界で勝つために日本代表に必要なFWは?」中村俊輔に聞いてみた
中村俊輔、本田圭佑、柴崎岳らが背負う"ナンバー10の使命"――ジーコ元日本代表監督が、中村を使い続けた理由とは
Jで輝く『バンディエラ』。中村憲剛や中村俊輔、小笠原満男らが生み出す美徳と別格のスリリング
俊輔中心の横浜の流動性を「凄かった」と称える小林祐希は、自らの“宿題”に苦悩
【岩本輝雄のオタクも納得!】“生きたキック”を蹴れる中村俊輔こそ真のプロだ

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ