「乾いた雑巾をさらに絞る」というアプローチを取る。

命令型のチームマネジメントで勝利を追及するコンテは、チェルシーのレジェンドであるモウリーニョと似通っている。早期の復権を望むアブラモビッチ・オーナー(写真)が、その点を買っているのは間違いない。(C)Getty Images
(4)チームマネジメントの手法
チームマネジメントの手法に関して、監督を「対話型」と「命令型」に大別するとすれば、コンテは明らかに後者。チームに厳しい規律を課し、常に緊張下に置くことを通して集中力を高め、最大のパフォーマンスを引き出そうとするタイプだ。その点では、同じイタリア人のファビオ・カペッロ(前ロシア代表監督)と共通する側面を持っている。
フィジカル的にもメンタル的にも、チームをギリギリまで追いつめる、いわば「乾いた雑巾をさらに絞る」というアプローチだけに、チームがそのテンションを保ち続けるためには“勝利”という燃料が不可欠。ユーベ時代は結果が伴わずチームが不振に陥るという状況を経験していないだけに、そうした状況で監督としてどう振る舞うか、そしてチームがそれにどう反応するかは、少なくともトップレベルのクラブでは未知数だ。
さらに、ユーベで3シーズンを過ごした後、4年目には自らも、またチームにも続けていくだけのモチベーションを与えられなかったという事実は、長期政権を築くよりも1年単位で目先の結果を追求する、賞味期限の短い短期決戦型の監督であることを示している。
もちろんそれは、まさかの大不振に陥った今シーズン(2016年4月5日時点でプレミアリーグ10位)を払拭するため、新シーズンは何よりも目先の結果が求められるチェルシーという舞台においては、決してネガティブなことではなく、むしろポジティブな要素であるとすら言える。オーナーのロマン・アブラモビッチがコンテを指名した大きな理由のひとつが、この側面にあるのは間違いない。
チームマネジメントの手法に関して、監督を「対話型」と「命令型」に大別するとすれば、コンテは明らかに後者。チームに厳しい規律を課し、常に緊張下に置くことを通して集中力を高め、最大のパフォーマンスを引き出そうとするタイプだ。その点では、同じイタリア人のファビオ・カペッロ(前ロシア代表監督)と共通する側面を持っている。
フィジカル的にもメンタル的にも、チームをギリギリまで追いつめる、いわば「乾いた雑巾をさらに絞る」というアプローチだけに、チームがそのテンションを保ち続けるためには“勝利”という燃料が不可欠。ユーベ時代は結果が伴わずチームが不振に陥るという状況を経験していないだけに、そうした状況で監督としてどう振る舞うか、そしてチームがそれにどう反応するかは、少なくともトップレベルのクラブでは未知数だ。
さらに、ユーベで3シーズンを過ごした後、4年目には自らも、またチームにも続けていくだけのモチベーションを与えられなかったという事実は、長期政権を築くよりも1年単位で目先の結果を追求する、賞味期限の短い短期決戦型の監督であることを示している。
もちろんそれは、まさかの大不振に陥った今シーズン(2016年4月5日時点でプレミアリーグ10位)を払拭するため、新シーズンは何よりも目先の結果が求められるチェルシーという舞台においては、決してネガティブなことではなく、むしろポジティブな要素であるとすら言える。オーナーのロマン・アブラモビッチがコンテを指名した大きな理由のひとつが、この側面にあるのは間違いない。