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【イタリア代表】新機軸3-4-3の大きな収穫と残された課題。「当確の16人」と残る7枠の行方は?

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2016年03月31日

「レジスタ枠」には、あの大物も控えている。

昨年9月のマルタ戦(EURO予選7節)以来、代表から遠ざかっているピルロ(左)の招集はあるのか。コンテ監督の決断に注目が集まる。(C)Getty Images

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 中盤センターは、今回故障で未招集のクラウディオ・マルキージオとマルコ・ヴェッラッティがレギュラー候補。控え一番手のマルコ・パローロも含めて3人が当確で、残りは1~2枠だ。
 
 この2試合では、T・モッタがハイペースでインテンシティーの高い展開では機能しないというブラジル・ワールドカップで見せたのと同じ限界を露呈したものの、リズムが高くない試合でのビルドアップ能力が傑出しているのもまた確か。それと比べるとモントリーボは「無難」な選択肢だが、際立った長所に欠けるのは否めない。今回招集されながらプレー機会がほとんどなかったジョルジーニョ、ロベルト・ソリアーノは23人枠からやや遠ざかった印象だ。
 
 T・モッタが招集された「レジスタ枠」には、実はアンドレア・ピルロという大物も控えている。T・モッタが露呈した限界を考えればピルロを呼ぶ価値は十分ありそうにも思われるが、コンディションや年齢的な衰えだけでなく、絶対的なレギュラーではない立場を受け入れられるかという問題も含めて、招集はコンテの決断に委ねられることになる。
 
 システムにかかわらずコンテの戦術でカギを握るウイングは、アントニオ・カンドレーバ、そしてローマに移籍して完全に復調したステファン・エル・シャーラウィがほぼ確実と見ていいだろう。今回の2試合で3トップへの適性と強敵相手でも試合から消えないパーソナリティーを証明したインシーニェも大きく評価を上げたはずだ。
 
 その一方で、ドイツ戦でほとんど存在感を出せなかったベルナルデスキ、3トップにははまらないエデルはやや株を下げたように見える。今回プレー機会が得られなかったジャコモ・ボナベントゥーラも含めて、残り1枠を3人で争う格好か。
 
 人材不足のCFは、3トップの攻撃メカニズムには欠かせないポストプレーに長けたグラツィアーノ・ペッレ、ザザの2人がそのまま滑り込みそう。今回招集されながら故障離脱したチーロ・インモービレ、その代わりに追加招集されたステーファノ・オカカは、シーズン終盤にクラブでよほど際立ったパフォーマンスを見せない限り、序列の逆転は難しそうだ。

文:片野道郎
 
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。
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