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【イタリア代表】新機軸3-4-3の大きな収穫と残された課題。「当確の16人」と残る7枠の行方は?

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2016年03月31日

ドイツとのクオリティーの差は歴然だった。

3-4-3同士のミラーゲームとなったドイツ戦は防戦一方に。本大会に向けて課題を残した。(C)Getty Images

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 しかし、続くドイツ戦ではそうはいかなかった。ドイツのヨアヒム・レーブ監督は、イタリアと同じ3-4-3を採用してミラーゲームを挑んできたのだ。すべてのポジションで1対1のマッチアップが成立するミラーゲームでは、個のクオリティーが決定的な重要性を持つ。
 
 スペイン戦では高い位置を保ってプレーした右のアレッサンドロ・フロレンツィ、左のエマヌエレ・ジャッケリーニという両サイドハーフは、ヨナス・ヘクター、セバスティアン・ルディに完全に押し込まれて守備に追われ、SBのように振る舞うことしかできなかった。
 
 中盤も、イタリア(チアゴ・モッタとリッカルド・モントリーボ)とドイツ(トニ・クロースとメスト・エジル)を比べれば、クオリティーの差はあまりにも明らか。3バックの最終ラインも、頻繁なポジションチェンジで基準点を与えてくれないトーマス・ミュラー、マリオ・ゲッツェ、ユリアン・ドラクスラーの3トップに文字通り翻弄された。
 
 個のクオリティーだけでなく、プレーリズムとインテンシティーにおいても完全にドイツに劣っていた。立ち上がりの10分間を除けば、ほとんどの時間帯で自陣に押し込まれ、ボールを奪ってもすぐにプレッシャーを受けて、出しどころがないまま無闇にロングボールを蹴り出すという悪循環に陥った。
 
 よって攻撃も散発的に何度か危険な場面を作った以外、まったくチームを戦術的に機能させられず。スペイン戦の後半、何度もいい形を作って攻め込んだフェデリコ・ベルナルデスキ、シモーネ・ザザ、ロレンツォ・インシーニェの3トップも、ほとんど仕事をさせてもらえなかった。
 
 コンテ監督は試合後、次のようにコメントした。
「ドイツとの間に埋めるべき力の差があるのは戦う前からわかっていた。選手たちを責めるつもりはないよ。チームは基本的にこれでいくしかない。シーズンが終わった時点でのコンディションを見た上で、招集メンバーを決めることになる」
 
 指揮官にとっては、これがEURO本大会に向けたメンバー決定前の最後のテスト機会。この2試合を通じて何人かの新戦力を試したことで、候補はほぼ絞り込まれたと見ていいだろう。
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