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新潟内定レフティCB稲村隼翔の改心。モチベ低下、勘違い、弱い自分。成長を促した2つのターニングポイント

カテゴリ:大学

安藤隆人

2023年09月02日

『焦るな』の言葉にハッとさせられる

 そして迎えた1年生の6月。ここで稲村にとって2つ目のターニングポイントを迎えた。関東大学サッカーリーグ2部・第10節の東京国際大戦で、0-2で迎えた85分に投入されて大学リーグデビューを飾った。

 しかし、その試合で稲村はイライラしている精神状況でピッチに入ってしまった。「スタメンで出ている選手たちのプレーがあまり良くなくて、覇気のないように感じていた」稲村は、試合中に当時4年生で10番を背負っていた山下勇希に向かって「やる気あんのかよ!」と荒い口調で叫んだ。

 0-2の敗戦となった試合後、苛立っていた稲村に対する周りの選手、スタッフの対応が非常に大人だった。徐々に冷静さを取り戻した稲村は山下に「すみません、言い方が悪かったです」と言うと、山下は真っ先に「いや、間違っていなかったよ、あの発言は」と肯定してくれた。さらに井上卓也監督は稲村に向かってこう言った。

「悪くはないけど、言い方を考えたほうがいい。何でああいう言い方になるのかというと、普段のお前に焦りが出ているからじゃないか。いいか、今は焦るんじゃない。着実に力をつけていけば、口だけではなく見えてくるものもあるから」
 
 この2つの言葉が稲村の心に深く刺さった。感情的になった自分を肯定してくれて、かつ自分の心の内を完全に見透かされた気がした。

「何か自分が違う方向にベクトルを向けていたことに気づいたんです。普通は『生意気だぞ』と叱られたり、もしかしたら外されたりするかもしれないじゃないですか。でも、4年生の先輩たちも、井上監督も間違っていた部分を指摘しながらも、言ったことに対しては『悪いことじゃない』と肯定してくれた。

 優しく包んでくれたというか、その器の大きさを感じたことで、逆に自分の器の小ささを痛感したんです。特に『焦るな』という言葉にハッとさせられました。僕の中では辰徳が高卒プロに行ったり、深川の同期や前橋育英の同期が関東大学1部リーグに進んだことに対する焦りがあった。理想と現実の差に、勝手に愕然として、それを人のせいにして苛立ちをぶつけてしまった。

 自分は努力していないのに、人に求めるという典型的なダメな選手の例を地で行っていました。ここに気付くことができて、僕の中ではサッカーをやる意義を改めて知れたし、自分自身と向き合うことができました」

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