フランス人スターが注目されるなかで躍動したメキシコの原石。
前年に欧州王者としてクラブワールドカップに出場するも、残念ながらインテルナシオナルに敗れたバルサ。2006-07シーズンは無冠に終わっていた。
新シーズンに向けて巻き返しを誓い、準備を行なっている最中の07年8月、バルサは日本にやって来た。
注目はロナウジーニョ、エトー、そして今夏に約40億円という移籍金でアーセナルから加入したフランス代表FWのティエリ・アンリ。これまでで最も豪華な3トップが横浜国際総合競技場のピッチに並んだ。
スペインから日本までの長距離移動を終えて間もなく、また時差ボケもあって、序盤のバルサの動きは鈍い。本来のプレーを披露し始めたのは、20分を過ぎたあたりから。ロナウジーニョとエトーが息の合ったパスワークで何度かチャンスを作り出した。
30分にはこの2人のコンビプレーから、抜け出したエトーがゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定。試合はスコアレスで折り返すこととなった。
後半、アンリに代わってジオバニ・ドス・サントスが登場。すぐにポストを叩く強烈なシュートを放つなど、躍動感溢れるプレーを見せる。バルサが攻め続けながらもなかなかゴールが生まれないなか、やや停滞したムードを変えたのも、このメキシコの若き逸材だった。
75分、ロナウジーニョ→エトーのパスワークから抜け出したドス・サントスがGKとの1対1を制し、待望のゴールをチームに、そして詰めかけた観衆にプレゼントしたのである。
試合はその後、横浜が追いつこうと攻勢に転じるも、バルサはこれを凌ぎ切って勝利を飾った。
試合後にライカールト監督は、アンリを加えた豪華な3トップについて「十分に機能するはずだ」と自信のコメントを残したが、来るシーズンでは慣れないポジションとサッカースタイルに苦しみ続けることになるアンリがその真価を見せるのは、ライカールトが監督を退いた後となる。
注目をひとり占めしながらもコンディション不良で力を発揮できなかったスターを尻目に、若き原石が躍動して印象的な仕事をこなした(ドス・サントスはこの試合のMVPにも選出された)、という一戦だった。
【写真で振り返る】バルサ日本遠征2007
◎MLJカップ
07年8月7日・日産スタジアム
バルセロナ 1-0 横浜F・マリノス
得点:ドス・サントス(75分)
◇バルセロナ
GK:V・バルデス(HTジョルケラ)、DF ザンブロッタ、テュラム、シルビーニョ(65分モッタ)、オレゲール、MF トゥーレ・ヤヤ、シャビ(81分M・クロサス)、イニエスタ、FW ロナウジーニョ(88分M・ロペス)、エトー(86分エスケーロ)、アンリ(HTドス・サントス)
監督:ライカールト
◇横浜
出場メンバー:GK榎本、DF田中隼、栗原、松田(HT那須)、小宮山、MF マルケス(HT吉田)、河合(59分上野)、山瀬功(72分狩野)、山瀬幸、FW 大島(62分鈴木)、坂田(72分清水)
監督:早野
新シーズンに向けて巻き返しを誓い、準備を行なっている最中の07年8月、バルサは日本にやって来た。
注目はロナウジーニョ、エトー、そして今夏に約40億円という移籍金でアーセナルから加入したフランス代表FWのティエリ・アンリ。これまでで最も豪華な3トップが横浜国際総合競技場のピッチに並んだ。
スペインから日本までの長距離移動を終えて間もなく、また時差ボケもあって、序盤のバルサの動きは鈍い。本来のプレーを披露し始めたのは、20分を過ぎたあたりから。ロナウジーニョとエトーが息の合ったパスワークで何度かチャンスを作り出した。
30分にはこの2人のコンビプレーから、抜け出したエトーがゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定。試合はスコアレスで折り返すこととなった。
後半、アンリに代わってジオバニ・ドス・サントスが登場。すぐにポストを叩く強烈なシュートを放つなど、躍動感溢れるプレーを見せる。バルサが攻め続けながらもなかなかゴールが生まれないなか、やや停滞したムードを変えたのも、このメキシコの若き逸材だった。
75分、ロナウジーニョ→エトーのパスワークから抜け出したドス・サントスがGKとの1対1を制し、待望のゴールをチームに、そして詰めかけた観衆にプレゼントしたのである。
試合はその後、横浜が追いつこうと攻勢に転じるも、バルサはこれを凌ぎ切って勝利を飾った。
試合後にライカールト監督は、アンリを加えた豪華な3トップについて「十分に機能するはずだ」と自信のコメントを残したが、来るシーズンでは慣れないポジションとサッカースタイルに苦しみ続けることになるアンリがその真価を見せるのは、ライカールトが監督を退いた後となる。
注目をひとり占めしながらもコンディション不良で力を発揮できなかったスターを尻目に、若き原石が躍動して印象的な仕事をこなした(ドス・サントスはこの試合のMVPにも選出された)、という一戦だった。
【写真で振り返る】バルサ日本遠征2007
◎MLJカップ
07年8月7日・日産スタジアム
バルセロナ 1-0 横浜F・マリノス
得点:ドス・サントス(75分)
◇バルセロナ
GK:V・バルデス(HTジョルケラ)、DF ザンブロッタ、テュラム、シルビーニョ(65分モッタ)、オレゲール、MF トゥーレ・ヤヤ、シャビ(81分M・クロサス)、イニエスタ、FW ロナウジーニョ(88分M・ロペス)、エトー(86分エスケーロ)、アンリ(HTドス・サントス)
監督:ライカールト
◇横浜
出場メンバー:GK榎本、DF田中隼、栗原、松田(HT那須)、小宮山、MF マルケス(HT吉田)、河合(59分上野)、山瀬功(72分狩野)、山瀬幸、FW 大島(62分鈴木)、坂田(72分清水)
監督:早野

若さ溢れるプレーで決勝点を奪うなどの活躍を見せたドス・サントス。MVP受賞には「ロナウジーニョやエトーがいるのに、どうして僕が?」と駆け出しの謙虚さも垣間見せていた。 (C) Getty Images