「ロペさん、完全に頭振っていますから」(名良橋)
――名良橋さんはポスト直撃の惜しいシュートを打ちましたね。
名良橋 はい。守備は井原さんや秋田(豊)さんに任せて、前半から攻撃的に行こうと。まあ、ポストに当ててしまうのは、僕らしいかもしれない(苦笑)。
井原 ジャマイカには絶対勝利と誓った分、果敢に攻めたね。でも相手の反撃もあり、かなりオープンな展開だった。決定力が勝負のポイントになった試合で、守備陣としては簡単に失点したのは反省だな。
名良橋 最終ラインからすれば、「いい加減、決めろよ」と攻撃陣に思っていましたか?
井原 まあね……、でも、それは言っても仕方がないというか、チームとして攻撃しているから。もちろんフォワードが決めれば、ナラのシュートがポストに当たらなければ、という想いはあったけど、それもチーム力。誰かのせいではなくて、みんなで力を合わせて1点を取らないといけない。とにもかくにも、無得点で日本に帰るのだけは避けたかった。
名良橋 そうですよね。僕も無得点は一大事になると思っていました。
井原 だから中山が点を取ってくれたのは、少しホッとした。
名良橋 ドーハの悲劇を一緒に経験したゴンさんがワールドカップ初ゴールを決めたのは、井原さんとしては嬉しかったですか?
井原 もちろん。歴史に残るゴールが中山だったのは嬉しかった。ただ、0-2の状況で返した1点だから、喜んでいる場合でもなかった。
名良橋 ところで、ゴンさんの得点をヘディングでアシストしたロペさん(呂比須ワグナー)は、パスを狙ったわけではなく、シュートミスがたまたまアシストになっただけだと思いませんか?
井原 そう、あれ、シュートだよね。本人はパスと言っていたけど(笑)。
名良橋 そうは言っていますけどね(笑)。ロペさん、シュート打つ勢いで完全に頭振っていますから、パスではないだろうと。井原さんの同意を得られて確信に変わった(笑)。
井原 でも、そのボールが中山に渡りゴールを決めるのはストライカーの嗅覚だし、努力したからこそ巡ってきた運命とも言える。
名良橋 ゴンさんが試合中に骨折したのは井原さんは知っていました? 僕、試合中に全然気づかなくて。
井原 骨折か分からないにしても、相手と接触してから足を引きずっていることは気づいたよ。でも、「できる」と言うし走ったから、心配したけど大丈夫だなと。実際は骨が折れていたと、あとで知ってビックリしたね。だって、試合後もシャワーを浴びている時に「もう一回、ワールドカップに出たい。借りを返したい」とふたりで話していたから。
名良橋 へぇ~、そうなんですね。
井原 中山は「足が痛い」と言いながらではあったけど(笑)。
名良橋 はい。守備は井原さんや秋田(豊)さんに任せて、前半から攻撃的に行こうと。まあ、ポストに当ててしまうのは、僕らしいかもしれない(苦笑)。
井原 ジャマイカには絶対勝利と誓った分、果敢に攻めたね。でも相手の反撃もあり、かなりオープンな展開だった。決定力が勝負のポイントになった試合で、守備陣としては簡単に失点したのは反省だな。
名良橋 最終ラインからすれば、「いい加減、決めろよ」と攻撃陣に思っていましたか?
井原 まあね……、でも、それは言っても仕方がないというか、チームとして攻撃しているから。もちろんフォワードが決めれば、ナラのシュートがポストに当たらなければ、という想いはあったけど、それもチーム力。誰かのせいではなくて、みんなで力を合わせて1点を取らないといけない。とにもかくにも、無得点で日本に帰るのだけは避けたかった。
名良橋 そうですよね。僕も無得点は一大事になると思っていました。
井原 だから中山が点を取ってくれたのは、少しホッとした。
名良橋 ドーハの悲劇を一緒に経験したゴンさんがワールドカップ初ゴールを決めたのは、井原さんとしては嬉しかったですか?
井原 もちろん。歴史に残るゴールが中山だったのは嬉しかった。ただ、0-2の状況で返した1点だから、喜んでいる場合でもなかった。
名良橋 ところで、ゴンさんの得点をヘディングでアシストしたロペさん(呂比須ワグナー)は、パスを狙ったわけではなく、シュートミスがたまたまアシストになっただけだと思いませんか?
井原 そう、あれ、シュートだよね。本人はパスと言っていたけど(笑)。
名良橋 そうは言っていますけどね(笑)。ロペさん、シュート打つ勢いで完全に頭振っていますから、パスではないだろうと。井原さんの同意を得られて確信に変わった(笑)。
井原 でも、そのボールが中山に渡りゴールを決めるのはストライカーの嗅覚だし、努力したからこそ巡ってきた運命とも言える。
名良橋 ゴンさんが試合中に骨折したのは井原さんは知っていました? 僕、試合中に全然気づかなくて。
井原 骨折か分からないにしても、相手と接触してから足を引きずっていることは気づいたよ。でも、「できる」と言うし走ったから、心配したけど大丈夫だなと。実際は骨が折れていたと、あとで知ってビックリしたね。だって、試合後もシャワーを浴びている時に「もう一回、ワールドカップに出たい。借りを返したい」とふたりで話していたから。
名良橋 へぇ~、そうなんですね。
井原 中山は「足が痛い」と言いながらではあったけど(笑)。
――中山選手の得点から5分後には、当時18歳の小野伸二選手が途中出場しました。
名良橋 彼の股抜きからのシュートは鮮明に覚えています。上手かったですよね。伸二は練習前のリフティングから僕らが真似できない技術を見せていた天才。ピッチに立っても堂々とプレーして、チームメイトから見ても凄いと感じた。
井原 2002年の日韓大会も見据えれば、彼がジャマイカ戦で試合経験を積んだのは大きかったはず。期待に応えるプレーを見せた。
名良橋 彼の股抜きからのシュートは鮮明に覚えています。上手かったですよね。伸二は練習前のリフティングから僕らが真似できない技術を見せていた天才。ピッチに立っても堂々とプレーして、チームメイトから見ても凄いと感じた。
井原 2002年の日韓大会も見据えれば、彼がジャマイカ戦で試合経験を積んだのは大きかったはず。期待に応えるプレーを見せた。