「0-1で負けて下を向いている暇はなかった」(名良橋)
――初戦はアルゼンチンに0-1で敗戦。試合を振り返って下さい。
井原 日本人が誰も経験したことのなかったワールドカップはこれか……、と思う半面、フランスにたくさんの日本人サポーターが応援に来てくれて、ホームのような雰囲気でプレーできたのは助かりました。いつもどおりの感覚で試合に入れましたね。サポーターは大会前の練習にも来て声援を送ってくれて、メディア露出も増えた。盛り上がりを感じて、気持ちは高ぶりましたよ。
名良橋 お祭りのような雰囲気でしたよね。しかもウォーミングアップ時にはスタジアムで安室奈美恵さんの曲が流れたんですよ。僕、安室さん大好きなので、いっそう気持ちが高まりました(笑)。
井原 あと、個人的にはアルゼンチンとの対戦が3回目だったのもあり、緊張せず試合に入れました。以前、キリンカップとインターコンチネンタル選手権で戦ったのでね。相手には(ガブリエル・)バティストゥータなど欧州で活躍するスターがたくさんいましたが、名前負けしないように意識しました。
名良橋 僕は名前負けしました(苦笑)。だって、マッチアップしたのが当時インテルに所属していた(ディエゴ・)シメオネですからね。他にも(アリエル・)オルテガや(ファン・セバスティアン・)ベロンらテレビゲームのなかの選手ばかりで。そんな心情は隠すように努めましたが、僕はアルゼンチンと初対戦だったので、井原さんのようなメンタルではなかったです。そこで井原さんに聞きたいのですが、アルゼンチンは、インターコンチネンタル選手権で対戦した1995年の時と、ワールドカップのチーム、どちらのほうが強かったですか?
井原 インターコンチネンタル選手権のチームのほうが強かったね。1月の試合だったから、ヨーロッパでプレーするアルゼンチンの選手はコンディションがかなり良くて、もうキレキレで、本当に凄かった。ボールを奪えなくて、歯が立たないなと。日本は当たって砕けろの精神で強烈にプレッシャーをかけても、簡単にかわされて結果的に5失点。95年はかなり力の差を感じたけど、ワールドカップで対戦した時のほうが、まだ「なんとかなりそう」とも思った。
名良橋 へぇ~、そうなんですね。
井原 でも、インターコンチネンタル選手権のアルゼンチン戦は、サウジアラビアで開催された試合で、日本はアウェーマッチに慣れていなかった影響もあった。教訓を得てから海外遠征が増えて、95年6月のアンブロ・カップはナラもいたでしょ?
名良橋 はい、帯同しました。ロンドンのウェンブリー・スタジアムでイングランドと対戦しましたね。1-2で負けましたけど、井原さんの魂のヘディング弾は凄かったです!!
井原 いいんだよ、俺の得点の話は(笑)。それは置いといて、海外遠征に慣れると、イングランドと1点差まで張り合えるようになった。
井原 日本人が誰も経験したことのなかったワールドカップはこれか……、と思う半面、フランスにたくさんの日本人サポーターが応援に来てくれて、ホームのような雰囲気でプレーできたのは助かりました。いつもどおりの感覚で試合に入れましたね。サポーターは大会前の練習にも来て声援を送ってくれて、メディア露出も増えた。盛り上がりを感じて、気持ちは高ぶりましたよ。
名良橋 お祭りのような雰囲気でしたよね。しかもウォーミングアップ時にはスタジアムで安室奈美恵さんの曲が流れたんですよ。僕、安室さん大好きなので、いっそう気持ちが高まりました(笑)。
井原 あと、個人的にはアルゼンチンとの対戦が3回目だったのもあり、緊張せず試合に入れました。以前、キリンカップとインターコンチネンタル選手権で戦ったのでね。相手には(ガブリエル・)バティストゥータなど欧州で活躍するスターがたくさんいましたが、名前負けしないように意識しました。
名良橋 僕は名前負けしました(苦笑)。だって、マッチアップしたのが当時インテルに所属していた(ディエゴ・)シメオネですからね。他にも(アリエル・)オルテガや(ファン・セバスティアン・)ベロンらテレビゲームのなかの選手ばかりで。そんな心情は隠すように努めましたが、僕はアルゼンチンと初対戦だったので、井原さんのようなメンタルではなかったです。そこで井原さんに聞きたいのですが、アルゼンチンは、インターコンチネンタル選手権で対戦した1995年の時と、ワールドカップのチーム、どちらのほうが強かったですか?
井原 インターコンチネンタル選手権のチームのほうが強かったね。1月の試合だったから、ヨーロッパでプレーするアルゼンチンの選手はコンディションがかなり良くて、もうキレキレで、本当に凄かった。ボールを奪えなくて、歯が立たないなと。日本は当たって砕けろの精神で強烈にプレッシャーをかけても、簡単にかわされて結果的に5失点。95年はかなり力の差を感じたけど、ワールドカップで対戦した時のほうが、まだ「なんとかなりそう」とも思った。
名良橋 へぇ~、そうなんですね。
井原 でも、インターコンチネンタル選手権のアルゼンチン戦は、サウジアラビアで開催された試合で、日本はアウェーマッチに慣れていなかった影響もあった。教訓を得てから海外遠征が増えて、95年6月のアンブロ・カップはナラもいたでしょ?
名良橋 はい、帯同しました。ロンドンのウェンブリー・スタジアムでイングランドと対戦しましたね。1-2で負けましたけど、井原さんの魂のヘディング弾は凄かったです!!
井原 いいんだよ、俺の得点の話は(笑)。それは置いといて、海外遠征に慣れると、イングランドと1点差まで張り合えるようになった。
――海外遠征という強化があったから、ワールドカップではアルゼンチンに1点差と善戦できたわけですね。
井原 でも結果は負けですから。失点シーンで自分のマークを捨てて、ボールを奪いに行ったチャレンジは今でも悔やみます。
名良橋 責任を背負わなくていいですよ。元を辿れば、(味方の)クリアミスから失点につながってますから。
井原 要するに、日本の小さなミスの積み重ねをアルゼンチンは見逃さなかった。シュートも落ちついていて、バティはやはり世界トップクラスのストライカーだった。
名良橋 確かにアルゼンチンは強かったですが、6日後にクロアチアとの第2戦があったので、0-1で負けて下を向いている暇はなかった。
井原 そうだね。しかも、アルゼンチンに0-1と僅差に持ち込めたから、少し自信もついて、次は勝とうという雰囲気になった。
井原 でも結果は負けですから。失点シーンで自分のマークを捨てて、ボールを奪いに行ったチャレンジは今でも悔やみます。
名良橋 責任を背負わなくていいですよ。元を辿れば、(味方の)クリアミスから失点につながってますから。
井原 要するに、日本の小さなミスの積み重ねをアルゼンチンは見逃さなかった。シュートも落ちついていて、バティはやはり世界トップクラスのストライカーだった。
名良橋 確かにアルゼンチンは強かったですが、6日後にクロアチアとの第2戦があったので、0-1で負けて下を向いている暇はなかった。
井原 そうだね。しかも、アルゼンチンに0-1と僅差に持ち込めたから、少し自信もついて、次は勝とうという雰囲気になった。