“地球目線”の企業に優秀な学生は引き寄せられる

2019年2月から早稲田大学ア式蹴球部とオフィシャルパートナーシップを結び、ユニホーム胸部への企業ロゴを掲出しているバリュエンス。1924年創部のア式蹴球部にとって、ユニホームに企業ロゴが入るのは史上初のことだった。昨年からアスリートのためのデュアルキャリア採用プロジェクトを推進するバリュエンスだが、嵜本社長は以前の『サッカーダイジェスト』のインタビューで、「実は体育会系の学生の採用応募が増えていて、これは間違いなくア式をスポンサードした成果です。サッカーやスポーツに対する理解が深い企業だと、学生も感じてくれたのでしょう」と、その効果を語っている(写真は昨年度の早慶戦)。©JUFA/REIKO IIJIMA
──嵜本社長はいかがですか? バリュエンスは2019年2月から早稲田大学ア式蹴球部のパートナーとなり、胸スポンサーを務めるなどサポートを行なっていますが、最近の学生と接して感じることはありませんか?
嵜本:今回、弊社では新たな人事プロジェクトとして、来年4月入社の新入社員最終面接を、社長室で1人20分、その場で合否を出すという形でやってみたんです。30数人面談をしたんですが、実はその中の3人の女子学生を泣かせてしまったんです。
都倉:えっ? 何があったんですか?
嵜本:バリュエンスの新卒最終面接は、単純な質疑応答ではなく、自身のこれまでを振り返り、過去の経験やそこで得たことを話してもらっています。その上で、目の前で内定を出されて感極まったというか、うれし泣きでしょうね。サッカーをやっている学生も多かったんですが、バリュエンスを選んだ理由はそれぞれで、プロサッカー選手になること自体がリスクだと判断して、サッカーを辞める決断をする子もいれば、大学卒業までにプロから声がかからなかったので、バリュエンスでデュアルキャリア的な働き方をしながら、プロサッカー選手になる道を模索したいという子もいました。
都倉:学生が個々の考え方で、企業を選ぶ時代なんですね。
嵜本:そうですね。あとは、大企業や有名企業に入ることが、就職活動のゴールという考え方がこれまでのスタンダードでしたが、実際に面接をしてみると、多くの学生がその会社の価値観や理念に共感できるかどうかを軸に、就職先を探していることが分かりました。こうした流れは、今後さらに加速していくでしょうね。
バリュエンスはまだ知名度も低く、どちらかと言えば理念型の採用をしているので、自然と我々のカルチャーに合うような学生が集まってくれているんだと思いますが、確かに言えるのは、これから先、利益だけを追求している企業の価値は、目減りしていく一方だということです。
例えば僕たちのリユース業界で言うと、サステナブルとかSDGsとか、ステークホルダーに地球が加わるような感覚、いわば“地球目線”でビジネスをやっている企業に、優秀な学生が引き寄せられるように集まってきている。バリュエンスも地球環境にとって良いことに、これまで以上に真面目に取り組んでいかなくてはいけないなと思っています。
都倉:泣いてしまった女子学生さんも、きっとそうした企業理念に共感して感極まったんでしょうね。
嵜本:実は僕、その中の一人の子に、プロポーズされたんです(笑)。結婚してくださいって。
都倉:本当ですか?
嵜本:それくらい、バリュエンスという会社に対して、人生を懸けて来てくれた。そういう子たちに、いかに企業として可能性を提供できるかが、今後のテーマ。一人ひとりのポテンシャルを引き出し、それをコネクトしていくことが、これから成長していく企業には求められていると思うので、そのあたりはしっかりと仕込んでいきたいですね。
都倉:採用するにあたって、これっていうポイントはあるんですか? 目の奥に光が宿っているとか(笑)。
嵜本:それも大切(笑)。でも一番の基準にしているのは、ちゃんと自分の意思を持っている人間であると同時に、素直で謙虚であるかどうか。自分と他人の価値観は違うという立ち位置に立って、他者の意見を受け入れられる器があるかどうかは見ていますね。
──そういえば以前、「アスリートには元来、素直さや謙虚さが備わっている」とおっしゃっていましたね。
嵜本:そうですね。自分一人の力で成功している選手は少ないですし、コーチや監督のアドバイスに耳を傾けて、それを行動に移せたアスリートだけが、たぶんチャンスを掴み取っている。そういう意味で、アスリートはビジネスマンとしても、とんでもないポテンシャルを秘めていると思うんです。目標に対するギャップの埋め方は一流だし、どうすればもっと上手くなれるかをひたすら追求しているので、それをビジネスに置き換えればいいだけの話。だから都倉さん、きっと何をやっても上手くいきますよ(笑)。
都倉:ありがとうございますっ!(笑)。
嵜本:ビジネスでもガンガン結果を出してもらって、サッカー界にさらに良い影響を与えてほしいですね。
嵜本:今回、弊社では新たな人事プロジェクトとして、来年4月入社の新入社員最終面接を、社長室で1人20分、その場で合否を出すという形でやってみたんです。30数人面談をしたんですが、実はその中の3人の女子学生を泣かせてしまったんです。
都倉:えっ? 何があったんですか?
嵜本:バリュエンスの新卒最終面接は、単純な質疑応答ではなく、自身のこれまでを振り返り、過去の経験やそこで得たことを話してもらっています。その上で、目の前で内定を出されて感極まったというか、うれし泣きでしょうね。サッカーをやっている学生も多かったんですが、バリュエンスを選んだ理由はそれぞれで、プロサッカー選手になること自体がリスクだと判断して、サッカーを辞める決断をする子もいれば、大学卒業までにプロから声がかからなかったので、バリュエンスでデュアルキャリア的な働き方をしながら、プロサッカー選手になる道を模索したいという子もいました。
都倉:学生が個々の考え方で、企業を選ぶ時代なんですね。
嵜本:そうですね。あとは、大企業や有名企業に入ることが、就職活動のゴールという考え方がこれまでのスタンダードでしたが、実際に面接をしてみると、多くの学生がその会社の価値観や理念に共感できるかどうかを軸に、就職先を探していることが分かりました。こうした流れは、今後さらに加速していくでしょうね。
バリュエンスはまだ知名度も低く、どちらかと言えば理念型の採用をしているので、自然と我々のカルチャーに合うような学生が集まってくれているんだと思いますが、確かに言えるのは、これから先、利益だけを追求している企業の価値は、目減りしていく一方だということです。
例えば僕たちのリユース業界で言うと、サステナブルとかSDGsとか、ステークホルダーに地球が加わるような感覚、いわば“地球目線”でビジネスをやっている企業に、優秀な学生が引き寄せられるように集まってきている。バリュエンスも地球環境にとって良いことに、これまで以上に真面目に取り組んでいかなくてはいけないなと思っています。
都倉:泣いてしまった女子学生さんも、きっとそうした企業理念に共感して感極まったんでしょうね。
嵜本:実は僕、その中の一人の子に、プロポーズされたんです(笑)。結婚してくださいって。
都倉:本当ですか?
嵜本:それくらい、バリュエンスという会社に対して、人生を懸けて来てくれた。そういう子たちに、いかに企業として可能性を提供できるかが、今後のテーマ。一人ひとりのポテンシャルを引き出し、それをコネクトしていくことが、これから成長していく企業には求められていると思うので、そのあたりはしっかりと仕込んでいきたいですね。
都倉:採用するにあたって、これっていうポイントはあるんですか? 目の奥に光が宿っているとか(笑)。
嵜本:それも大切(笑)。でも一番の基準にしているのは、ちゃんと自分の意思を持っている人間であると同時に、素直で謙虚であるかどうか。自分と他人の価値観は違うという立ち位置に立って、他者の意見を受け入れられる器があるかどうかは見ていますね。
──そういえば以前、「アスリートには元来、素直さや謙虚さが備わっている」とおっしゃっていましたね。
嵜本:そうですね。自分一人の力で成功している選手は少ないですし、コーチや監督のアドバイスに耳を傾けて、それを行動に移せたアスリートだけが、たぶんチャンスを掴み取っている。そういう意味で、アスリートはビジネスマンとしても、とんでもないポテンシャルを秘めていると思うんです。目標に対するギャップの埋め方は一流だし、どうすればもっと上手くなれるかをひたすら追求しているので、それをビジネスに置き換えればいいだけの話。だから都倉さん、きっと何をやっても上手くいきますよ(笑)。
都倉:ありがとうございますっ!(笑)。
嵜本:ビジネスでもガンガン結果を出してもらって、サッカー界にさらに良い影響を与えてほしいですね。