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【スペシャル対談~前編】ワイン事業をスタートしたV・ファーレン長崎の都倉賢に、 元Jリーガー社長・嵜本晋輔が期待する現役アスリートへの影響力

カテゴリ:特集

吉田治良

2021年09月09日

海外挑戦で自分は何者でもないと痛感した

対談は終始和やかなムードで進んだ。嵜本社長(写真上)は都倉選手(写真下)に対して、「サッカー選手として第一線で活躍しながら、セカンドキャリアに対して前向きで、様々なチャレンジをしている」と、その現役アスリートへの影響力に期待する。⒞SOCCER DIGEST

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 かつてガンバ大阪でプレーした元Jリーガーで、22歳という若さで現役を引退後はビジネスマンに転身。ブランドリユース業で大きな成功を収めた嵜本晋輔・バリュエンスホールディングス(以下バリュエンス)代表取締役社長が今回、かねてより親交のあるV・ファーレン長崎のFW都倉賢選手と、アスリートの未来について語り合った。

 現在、アスリートのデュアルキャリアを支援する取り組みに力を注ぐ嵜本社長と、35歳になった今も現役選手として第一線で活躍しながら、「サッカー選手は肩書のひとつに過ぎない」と、SNS等を通じてJリーガーの新たな価値を発信する都倉選手。その理念に共通点が少なくない二人の対談は、引退後の人生に不安を抱く多くの競技者へのメッセージとなるはずだ。

 前・後編の2回に分けてお届けする対談の前編では、昨年からワイン事業の『都倉ワイナリー』をスタートさせた都倉選手の新たなチャレンジと、バリュエンスが推進する『アスリート採用プロジェクト』を中心にトークを繰り広げていただいた。

――◆――◆――

──お二人は、アスリートのセカンドキャリアに対する考え方が非常に近いように思いますが、いかがですか?

嵜本晋輔(以下、嵜本):都倉さんは、現役のサッカー選手として第一線で活躍しながら、セカンドキャリアに対してとても前向きで、様々なチャレンジをしている。その活動内容をより多くのアスリートに知ってもらうことが、セカンドキャリアの課題を解決する糸口になるんじゃないかと思っています。きっといろんなことを企んでいるはずなので(笑)、個人的にも興味がありますね。

都倉賢(以下、都倉):めちゃくちゃハードルを上げますね!(笑)

嵜本:実際、いつ頃からセカンドキャリアを考えるようになったんですか?

都倉:20代後半からなんとなく、ですね。ただ、(引退後の)準備の必要性は感じてはいましたが、具体的に何をすればいいのか分からないという状況が続いていたんです。

嵜本:何かきっかけが?

都倉:2013年にヴィッセル神戸を退団して、デンマークのクラブ(FCベストシェラン)のトライアウトを受けた時ですね。約1か月間の現地滞在で気付いたんです。これまで自分は、「都倉賢」という存在をわざわざイントロデュースしなくても、多くの人に知ってもらえていたけれど、向こうでは誰も知らないただの東洋人に過ぎないんだって。なんの後ろ盾もない自分って、本当に何者でもないと痛感させられましたね。

嵜本:SNSを通じて様々な発信をするようになったのは、それからですね?

都倉:はい。結局、海外挑戦は失敗に終わって、コンサドーレ札幌にお世話になるんですが、その時にとにかく一度、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムを整理しようと。プレーに関するオフィシャル的な発信もそうですが、それ以上にもっと「都倉賢」という人間を知ってもらい、自分が何を考え、行動しているかを表現しなきゃいけないなと思ったんです。セカンドキャリアで何をやればいいか分からないとしても、この時代に生きているアスリートとしては、そこを整えておくことで、なんらかの資産になるんじゃないかという思いがありましたね。

──現在、SNS合計のフォロワー数は約11万人。これは他のJリーガーと比べても圧倒的な数字だと思います。そして、SNSの整理が終わった現在は、ワイン事業の『都倉ワイナリー』にもチャレンジ。すでに今年から『KAERIZAKI2020』というブランド名で一般販売もスタートされていますね。

都倉:プロサッカー選手がモノを売ると言っても、簡単に売れるわけではありません。どういったPR、マーケティングをすればいいのか、それこそファイナンスの部分も含めて、サッカー以外のことでこんなに恐怖を感じるのは、初めての経験ですね。ただその恐怖心が、さらに自分を奮い立たせ、成長させてくれているとも思っています。
SNSを整えたことで、フォロワーという資産は積み上げられましたが、考えなくてはいけないのが、その中で本当のクライアントになってくださる方がどれだけいるのか、ということ。もちろんファン・サポーターは選手にとって大きな資産です。けれど、いざ引退した時に、その方たちすべてがそのまま応援を続けてくれるわけではありません。
昨年はクラウドファンディングで資金を集め、今年から一般販売をスタートしましたが、そこで実際に応援し、ワインを購入してくださる方が、僕の現実的なクライアントの数だと思うんです。それを現役中に把握できたことが、おそらく一番の価値。まだ嵜本さんの期待に応えられるほどのヴィジョンはありませんが、それが今後、ワインに限らずいろんな事業に当てはめられると発見できたことが、すごく大きかったですね。
 
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