【ルーツ探訪】テネリフェ移籍が決定した柴崎岳が貫く“ぶれない信念”の原点とは

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2017年02月01日

自分より上の選手と切磋琢磨したいと青森山田への進学を決断。

青森山田高時代には、2年時に選手権で準優勝。準決勝では現在鹿島でチームメイトの梅鉢を擁する関大一にPK戦で競り勝った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 こうした小学生時代の活躍は、柴崎の将来を大きく膨らませた、ある男の目にも止まる。
 
「ひとりだけ次元が違った。小学生なのに、あれだけ周りが見えている。だから、プレーに変化を加えられた。すぐに欲しいと思ったよ」
 
 こう語るのは、青森山田高の黒田剛監督だ。青森山田高を全国屈指の強豪校に育て上げた指揮官は当時、附属の青森山田中の強化に乗り出していた。当然、県内で有名になっていた野辺地町の天才少年に一目惚れしないわけがない。黒田は、その才能に無限の可能性を感じ、すぐさま青森山田中への進学を勧めた。
 
 一方、柴崎も黒田の誘いを好意的に受け止めていた。しかし、本人の意思とは裏腹に、最初は両親に青森山田行きを反対されたという。
 
「その反対を押し切って行くことにしました。(黒田監督に)声をかけてもらうまでは、地元の野辺地中に進もうと思っていましたけど、青森山田から誘いを頂いたので迷わず決めました。元々、興味はあったんです。小6の時に入っていた県トレセンのチームで、ひとつ年上のトレセンチームと試合をした時に青森山田中の選手が何人かいて、その相手にあまりにも自分のプレーが通用しなかった。だから、自分より実力が上の選手がいるところで成長したいと思っていたのもありました」(柴崎)
 
 ライバルが見当たらなかった柴崎は、自分より上の存在がいることが嬉しくて仕方がなかった。これは今も当てはまるが、この男は常に『自分が一番』という環境を嫌う。
 
「僕は目に見えて分かることが好きなんです。例えば、小6の時は通用しなかったけど、新しい環境(青森山田中)で、すべてが通用するようになった時は、自分が成長しているんだと実感できますから」(柴崎)
 
 常に超えるべき目標を求め、そこから学び、自身を高めることに喜びを見出す。そんな柴崎にとって、青森山田中からの誘いは、このうえないチャンスだった。両親にも、その熱意が伝わったのだろう。最終的には彼の強い意志を尊重し、快く青森山田への進学を了承したそうだ。
 
 当時の青森山田中の同級生は、豪華な顔ぶれだった。現在、清水で正GKを務める櫛引政敏も黒田監督に声をかけられ、青森県内の小学校からやってきた。同じ野辺地SSS出身で後に選手権準優勝メンバーとなる横濱充俊もまた、一緒に進学した。
【関連記事】
テネリフェ移籍の柴崎、「日本に戻るつもりはない」と意気込む
柴崎のテネリフェ移籍が正式決定! 急転直下でスペイン2部へ
清武のC大阪復帰は最終段階へ! すでに契約のため帰国の途に
吉田所属のサウサンプトン、市場閉鎖1時間前に新エース候補のイタリア代表FWを獲得!
最終日のオファーも拒否し、本田圭佑がミラン残留…契約満了で夏にはアメリカへ?
【最終日の主な移籍/ドイツ】武藤の新たなパートナーがパレルモから到来! レバークーゼンが逸材争奪戦に勝利 etc.

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ