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「このままでは置いておけない。転校も考えていただきたい」。恩師が明かす前田大然の人生の転機【東京五輪メンバーのルーツ探訪】

カテゴリ:日本代表

古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

2021年07月29日

高校時代つけられたあだ名は「プリウス」

フランス戦に途中出場した前田は、チームの4点目を奪う活躍。正確なシュートとスピードが光った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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「大然の東京五輪のメンバー入りが決まって、彼の母親と連絡を取りました。『あの1年間は本当に大きかった』と言われましたけど、私もそう思います。大然がいろいろなことを考えて戻る努力をして大きく変わった。

 なにより、人のために働くという力が身に着きました。それがサッカーにも表われ、チームのためにスピードを生かせるようになったんじゃないですかね」(吉永)

 前田自身も今年6月29日に行なわれたオンライン取材で同じような想いを口にした。

「それ(高校1年生)までは自分が自分がという感じでした。ただ、ひとりではサッカーも生活もできない。たくさんの人の支えがあるからプレーできていると再確認しました。チームのために走るというマインドは、あの時に学びました」

 こうして前田は空白の1年を経て、足の速さを生かした献身的なスタイルを身に付けたのだった。
 
 前田が1年間もサッカー部にいなかったため、後輩は復帰の際に初めて、そのプレーを目の当たりにした。1学年下の相田勇樹(現・八戸)は当時をこう振り返る。

「噂では聞いていましたけど、想像以上のバケモンでした(笑)。凄まじいスピードで裏に抜けるし、身長はそんなに高くないのに、空中戦がめちゃくちゃ強い。あと守備にも迫力がありましたね」

 相田が今でも印象に残っている出来事がある。ある日の紅白戦。前田が相手CBに猛烈なプレッシャーをかけてボールを奪うと、そのままゴールを決めてみせたのだ。そのCBはこう言った。「追ってくる音が聞こえない」と。いつしか車の『プリウス』という愛称が付けられたという。静かなのに速い。言い得て妙な表現である。

 話は戻るが、前田がサッカー部に復帰する時、吉永はこう話していた。

「大然には『持っているエネルギーすべてをサッカーに注いでほしい。高卒でのプロ入りを目指そう』と呪文のように言い続けましたね。ブランクもあって大変だったはず。でも、可能性はあると思いました」
 
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