高倉監督が「嬉しい誤算」と称えたふたりの若手CB
対人能力の高いCBも、これまでは層が薄かった。このポジションでは熊谷に続き、南萌華(浦和L)が抜け出しかけていたが、「嬉しい誤算」と指揮官が口にする充実ぶりを見せた、宝田沙織(C大阪堺L)、高橋はな(浦和L)らの追撃も急だ。
「U-20のキャプテンをやっていた南萌華は、パフォーマンスが上がっていますし、精神的にも非常に安定しているので、ずっと代表に呼んでいます。宝田は、今季、チームの事情でCBを任されるなかで、その才能を発揮してきました。トップレベルで(CBを)やるのはほとんど初めてですけれども、それを感じさせない。FWをやっていた選手ならではの部分もあります。高橋は、高さがあって足が速いというシンプルな強みがあり、1対1にも強い。そういう人材が増えてきたのは、嬉しい悩みです」
熊谷も含めて、高いレベルでの競争が発生すれば、欧米勢が女子ワールドカップ以上に多用すると思われる放り込みにも、しっかりと対応できるはずだ。
最激戦区となる中盤は、雨後の筍のように、次々とタレントが出ている。指揮官が、最も成長を感じているのが、チーム全体としてのポゼッション能力の向上だ。「ボールを持った時にクリエイティブな選手が相手を振り回し、結果として守備の時間そのものを少なくする」というのが、このチームのコンセプト。生命線であるボール回しの精度が上がれば、そのまま大きなレベルアップにつながる。
「U-20のキャプテンをやっていた南萌華は、パフォーマンスが上がっていますし、精神的にも非常に安定しているので、ずっと代表に呼んでいます。宝田は、今季、チームの事情でCBを任されるなかで、その才能を発揮してきました。トップレベルで(CBを)やるのはほとんど初めてですけれども、それを感じさせない。FWをやっていた選手ならではの部分もあります。高橋は、高さがあって足が速いというシンプルな強みがあり、1対1にも強い。そういう人材が増えてきたのは、嬉しい悩みです」
熊谷も含めて、高いレベルでの競争が発生すれば、欧米勢が女子ワールドカップ以上に多用すると思われる放り込みにも、しっかりと対応できるはずだ。
最激戦区となる中盤は、雨後の筍のように、次々とタレントが出ている。指揮官が、最も成長を感じているのが、チーム全体としてのポゼッション能力の向上だ。「ボールを持った時にクリエイティブな選手が相手を振り回し、結果として守備の時間そのものを少なくする」というのが、このチームのコンセプト。生命線であるボール回しの精度が上がれば、そのまま大きなレベルアップにつながる。
「これまでボールを奪われていた部分については、中盤の選手だけでなく、チーム全体にスムーズさがなかったということ。個々の判断ミスが多かった時期もありましたが、今は、ボールを動かすことに関して非常に質が上がり、イージーなロストも以前より少なくなったと思います」(高倉監督)
テクニックに優れた若手の台頭や、方向性の継続など、理由はひとつではない。これまで積極的なアウェー遠征でチーム強化を進めてきたチームだが、短い期間の国内合宿であっても代表活動を続けることで、様々なプラス材料がもたらされる。実際、そうやって少しずつ積み上げてきたものが、今、形になりつつある。
「(2020年は代表にとって)大きな変化があったと思います。これまでも成長していく途中でしたが、(この時期に)いろんなものが整いだしたんじゃないかなと思います。『もう楽しみでしかない』というか『強くなるに決まっている』と。私自身も、チームの構成、戦術性をさらに高めていって、選手たちが輝けるようにしていかなければなりません。ただ『楽しみでしかない』という思いが強いです」(高倉監督)
指揮官は「楽しみでしかない」と、繰り返した。2020年、なでしこは地中でしっかりと根を伸ばし、大輪を咲かせる準備に入った。そして、あと10日足らずで、いよいよ勝負の2021年を迎える。
文●西森彰(フリーライター)
【PHOTO】可愛い笑顔満載!なでしこ主将も務める岩渕真奈の厳選フォトギャラリー‼
テクニックに優れた若手の台頭や、方向性の継続など、理由はひとつではない。これまで積極的なアウェー遠征でチーム強化を進めてきたチームだが、短い期間の国内合宿であっても代表活動を続けることで、様々なプラス材料がもたらされる。実際、そうやって少しずつ積み上げてきたものが、今、形になりつつある。
「(2020年は代表にとって)大きな変化があったと思います。これまでも成長していく途中でしたが、(この時期に)いろんなものが整いだしたんじゃないかなと思います。『もう楽しみでしかない』というか『強くなるに決まっている』と。私自身も、チームの構成、戦術性をさらに高めていって、選手たちが輝けるようにしていかなければなりません。ただ『楽しみでしかない』という思いが強いです」(高倉監督)
指揮官は「楽しみでしかない」と、繰り返した。2020年、なでしこは地中でしっかりと根を伸ばし、大輪を咲かせる準備に入った。そして、あと10日足らずで、いよいよ勝負の2021年を迎える。
文●西森彰(フリーライター)
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