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なでしこジャパンの2020年総括。コロナ禍で活動制限も、高倉監督が「楽しみでしかない」と言う理由は?

カテゴリ:高校・ユース・その他

西森彰

2020年12月24日

個の力への期待が大きいポジションは…

「日本にはストライカーがいない」と語る高倉監督。得点源となるタレントを探し続けている。写真:徳原隆元

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 もちろん、来る東京五輪に向けて、チームの完成を間に合わせる必要はある。軸と期待する選手を、この時期に外していては、方向性が失われる。主力については継続して呼んで(一段上の自覚とレベルアップを期待される分、負荷は大きいが)バランスを取りながら、抜群の個性を発揮できそうな選手、伸びが著しい選手を、チームに落とし込む余地を残しておくということだ。

 個の力への期待が大きいポジションは、試合を決定づけるFW。逆に、ゴールへ向かって蹴り込んでくる海外勢を迎え撃つCBか。
 
 FWは、なでしこリーグ得点王の菅澤優衣香(浦和L)と、若い頃から代表でプレーしてきた岩渕真奈(この冬INACからアストン・ヴィラへ移籍)が中心になってきた。中盤との兼用だが、現在負傷中の籾木結花(レイン)もここに加わる。この後を追うのが田中美南(INAC)、小林里歌子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、上野真実(愛媛FCレディース)らで、主力の多くが欠席した11月のキャンプでは、代表初召集の浜田や、このチームでは上の世代に入る髙瀬も参戦してきた。

 浜田は、マイナビが苦しむなか、なでしこリーグの得点ランキングで2位に輝いた。国際試合で大きな力となる上背もあり、指揮官が高く評価する「チームが不調の中でも、チームを勝たせることができる選手」に該当する。長期間、SBへコンバートされていた高瀬は「最初から『彼女(の適正ポジション)は、そこじゃない』と思っていた」というゲルト・エンゲルス監督(INAC)の下、今季途中からFWへ復帰。得点力とポストプレーで貢献している。

「世界大会へ行った時に『日本にはストライカーがいないな』と感じます。『ボールを収める』ということももちろんですが、『点を獲る』可能性がある選手。代表にフィットしてくるかは、同じレベルの戦いにならないとなかなかわからないのですが、今回はたくさんの選手を呼べて、それぞれの良さも見えましたし、課題を持ち帰ってくれた。この後、来年の5、6月ぐらいまでに、どういったパフォーマンスを見せるかで、(今回招集された選手たちが)代表に入る可能性はあると考えています」
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