「でも、ひとつだけ自分が思い描いていたことと違ったのは“関東リーグ昇格”という目標を達成できなかったことで。来年またチャンスをいただいて、昇格することが叶えば本当の意味で“間違いのない選択だった”と言い切れるかと。今はそういう心境です」
昨年末に、青木の南葛SC入団がリリースされた時「『キャプテン翼』の石崎くんの顔面ブロックを見習い、チームのために身体を張りたいです!」とコメントしていたことに対しては……。
「石崎くんみたいに身体を張る部分は、ケガでリーグ戦を2試合欠場したところでやりきれなかったかもしれません。でも常にチームのためにプレーしたことは間違いのないところで。もし石崎くんの献身性と絡めさせてくれるなら、その点では自分も同じようなことができたかな、と思います」
チームではいじられキャラだというが、誠実で責任感が強く、シャイな一面をのぞかせる。
「悔しさは自分の中で抱え込むタイプですね。自分の中で消化するといいますか」
だから、どれほどの強い思いを内に秘めているか、外からは見えにくい。しかし落ち着いた物言いとは裏腹に、発せられる言葉には逞しさが感じられた。経験した者のみが持ちうる、独特の重みがあった。
いつか「2019年のシーズンを経験したから今の栄光がある」と言えるように――その可能性を高めてくれるヒントが、今回の振り返りにあると信じている。(文中敬称略)
(このシリーズ了)
取材・文●伊藤 亮
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