期待のアタッカーが抱える課題は?
足下の基礎的な技術に加え、瞬発力を生かした突破力、しなやかさを生かしたボールキープ能力など、彼のストロングポイントを挙げればキリがない。一方でもちろん課題もある。
一つは、守備意識だろう。同じ2列目のメイソン・マウント、ウィリアンと比べると見劣りしてしまううえに、前線からの守備を強く求めるランパード監督のチームでは、わずかでもプレスや帰陣が遅くなると、悪目立ちしてしまうのだ。
一つは、守備意識だろう。同じ2列目のメイソン・マウント、ウィリアンと比べると見劣りしてしまううえに、前線からの守備を強く求めるランパード監督のチームでは、わずかでもプレスや帰陣が遅くなると、悪目立ちしてしまうのだ。
もう一つは、足下でボールを貰いたがる傾向にあることだ。これは相手にとって対策しやすいかもしれない。事実、チャンピオンズ・リーグのグループステージ第4節のアヤックス戦では、うまく間合いを取るマーカーのセルジーニョ・デストに苦戦していた。
とはいえ、まだ18歳で成長の余地は十分にある。加えて、現在のトップチームには、ランパード監督だけでなく、ジョディ・モリスなどアカデミー時代に指導を受けたスタッフがコーチとして帯同している。また、「今夏の補強禁止は、僕ら若手にとって有益だったと思うよ。多くの試合に出るチャンスだからね」と本人が語る通り、この先も出番も多く与えられるだろう。
信頼関係が構築されているコーチ陣の下で、特大の才能を持つ10代の若者は、どこまで伸びていくのか。その活躍から目が離せない。
文●内藤秀明(プレミアパブ)
text by Hideaki NAITO