イングランド「育成改革」の舞台裏。どうサンチョら逸材を育み、ユース代表を強化した?

カテゴリ:ワールド

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2019年03月07日

日本とイングランドの子供にどんな差が?

FAは選手や監督の写真とタスクがプリントされたカードを使って、判断力を養うトレーニングも導入している。写真:ナイキ

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――日本の高校生を指導する際に、選手には有名プロ選手、コーチには有名プロ監督の顔写真と特長が書かれたカードを配っていました。あれはどんな効果を狙っているのでしょうか?
 
「あのカードトレーニングは、FAでも実際に使っている練習法です。基本的に選手にもコーチにも、カードに書かれている指示に積極的にトライしてもらいます。しかし、例えば選手がもらったカードがメッシで『ドリブルからのシュートにトライしろ』と書かれていても、自分のコーチのカードがモウリーニョで『長い縦パスで素早くゴールを狙うように指示しろ』とあったら、まったく正反対のタスクを担うことになりますよね? だから、試合の流れや相手に応じて使い分けることになるので、状況判断のトレーニングになるんです。それにプロ選手になってからも、よくあるケースですからね。自分の得意なことを見せて価値を証明しなければいけないし、監督の指示にも従わないといけない。それこそがプロフットボーラーです」
 
――日本の高校生を指導してみて、イングランドの子供たちとの違いは感じましたか?
 
「テクニック的には大差がないと思います。体格差があるのでフィジカルはやはりイングランドのほうが強いですね。あとは、日本の子供たちはちょっと静かですね。こっちの子供たちは小さいころから主張が強いので(笑)。ただまあ、言語や文化的な問題もあるし、疲れもあったのだとは思いますがね」
 
――FAの育成改革はすでにかなりの成果を上げていますが、今後の目標はありますか?
 
「2017年にU-17とU-20のワールドカップで優勝し、2018年にA代表はロシア・ワールドカップで4位になりました。たしかにこれは育成改革の成果でしょう。ただ、もちろんその中にも課題はありましたし、この成功が続かなければ意味がないんです。だから我々は、日々のディスカッションを大事にし、革新を重ねていきたいと思っています。当面の目標はやはり、2022年のカタール・ワールドカップ優勝ですね」
 
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
協力:ナイキ
※ワールドサッカーダイジェスト2019年3月7日号より加筆・転載。
 
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