いずれはシティのアイコンにも
「ダイヤモンド」、「天からの授かりもの」、「言葉を失うほどの才能」――。
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、下部組織出身のフィル・フォデンを形容する際に用いた言葉だ。現在18歳のMFは、クラブのサポーターから“ストックポートのイニエスタ”とも呼ばれている。
2016-17シーズンからシティの指揮を執り始めたグアルディオラ監督は、イングランドに来る前からフォデンの存在を知り、就任後には噂に違わぬタレントを目にして大いに喜んだという。
「若手を褒めるのは危険なことだけど」と前置きをしたうえ上で、「彼には底知れぬポテンシャルがある」とその才能を認めている。
シティでは2017-18シーズンに念願のトップデビュー。公式戦出場は10試合に留まったものの、プレミアリーグの数々の記録を塗り替えて優勝したチームを支えた。
今シーズンは開幕前のコミュニティーシールドに先発し、チェルシーを相手に1アシストを記録して2-0の勝利に寄与すると、リーグカップとFAカップの国内カップ戦ではトップチーム初得点を含む3ゴールをすでにマークしている。
フル出場したチャンピオンズ・リーグのグループステージ第6節のホッフェンハイム戦を観ていてまず目を引いたのは、姿勢の良さと軸の強さだ。常に広い視野を確保しているから適切な判断が下せる。
ボールを失った時には、猛然と戻って大きくない身体を腰から入れて激しくチャレンジする。運ぶドリブルや左足の繊細なタッチからは、評価に違わぬクオリティーを感じさせた。
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、下部組織出身のフィル・フォデンを形容する際に用いた言葉だ。現在18歳のMFは、クラブのサポーターから“ストックポートのイニエスタ”とも呼ばれている。
2016-17シーズンからシティの指揮を執り始めたグアルディオラ監督は、イングランドに来る前からフォデンの存在を知り、就任後には噂に違わぬタレントを目にして大いに喜んだという。
「若手を褒めるのは危険なことだけど」と前置きをしたうえ上で、「彼には底知れぬポテンシャルがある」とその才能を認めている。
シティでは2017-18シーズンに念願のトップデビュー。公式戦出場は10試合に留まったものの、プレミアリーグの数々の記録を塗り替えて優勝したチームを支えた。
今シーズンは開幕前のコミュニティーシールドに先発し、チェルシーを相手に1アシストを記録して2-0の勝利に寄与すると、リーグカップとFAカップの国内カップ戦ではトップチーム初得点を含む3ゴールをすでにマークしている。
フル出場したチャンピオンズ・リーグのグループステージ第6節のホッフェンハイム戦を観ていてまず目を引いたのは、姿勢の良さと軸の強さだ。常に広い視野を確保しているから適切な判断が下せる。
ボールを失った時には、猛然と戻って大きくない身体を腰から入れて激しくチャレンジする。運ぶドリブルや左足の繊細なタッチからは、評価に違わぬクオリティーを感じさせた。
「(フォデンは)見た目は細くて華奢だが、本当に強いんだ。ファイターでもある。クロスもシュートも良い。とてつもない才能だ」
試合後の会見でグアルディオラ監督はまた絶賛した。
「ダビド・シルバ、ケビン・デ・ブルイネらとポジションを争わなければならず、当然、それは簡単ではない。しかし彼の練習態度は素晴らしく、忍耐力もある。そして出番が来れば、今日のように多くを要求される試合でも、大人の男のようにプレーする。本当の男だ」
ここ1年半の間にシティは、フォデンと並ぶ2人の逸材、ジェイドン・サンチョとブラヒム・ディアスをそれぞれドルトムントとレアル・マドリーに放出した。彼らが移籍を決意した理由には、シティにおける熾烈な定位置争いがあったはず。とくに2年目のドルトムントでレギュラーとして活躍し、A代表にも呼ばれ始めた前者の選択は正しかったと言える。
その意味で、フォデンがサンチョに遅れを取ったと感じたとしても不思議はない。だが、彼には大好きなクラブを離れるつもりはないようだし、指揮官も絶対に手放さないと公言する。
ロンドン出身のサンチョやスペイン人のディアスと異なり、地元の血が流れるフォデンは、アイデンティティーの象徴になりうる存在だ。プレーの質や才能はもちろん、出自を考慮しても、真のメガクラブを目指すシティが大事にすべきタレントなのだ。昨年12月には、契約を24年6月まで延長したとクラブ側が発表した。
「フォデンがローン? ありえない。絶対に不可能な話だ! 彼はこの先ずっと何年も、我々のところに留まる」
1月、グアルディオラ監督が語ったこの言葉こそが、フォデンに対する信頼の証だ。
文●井川洋一
※好評発売中の『ワールドサッカーダイジェスト3月7日号』より一部転載。同号の特集は「2000年代生まれのニューヒーロー」で、新世代の逸材を一挙に紹介・分析している。
試合後の会見でグアルディオラ監督はまた絶賛した。
「ダビド・シルバ、ケビン・デ・ブルイネらとポジションを争わなければならず、当然、それは簡単ではない。しかし彼の練習態度は素晴らしく、忍耐力もある。そして出番が来れば、今日のように多くを要求される試合でも、大人の男のようにプレーする。本当の男だ」
ここ1年半の間にシティは、フォデンと並ぶ2人の逸材、ジェイドン・サンチョとブラヒム・ディアスをそれぞれドルトムントとレアル・マドリーに放出した。彼らが移籍を決意した理由には、シティにおける熾烈な定位置争いがあったはず。とくに2年目のドルトムントでレギュラーとして活躍し、A代表にも呼ばれ始めた前者の選択は正しかったと言える。
その意味で、フォデンがサンチョに遅れを取ったと感じたとしても不思議はない。だが、彼には大好きなクラブを離れるつもりはないようだし、指揮官も絶対に手放さないと公言する。
ロンドン出身のサンチョやスペイン人のディアスと異なり、地元の血が流れるフォデンは、アイデンティティーの象徴になりうる存在だ。プレーの質や才能はもちろん、出自を考慮しても、真のメガクラブを目指すシティが大事にすべきタレントなのだ。昨年12月には、契約を24年6月まで延長したとクラブ側が発表した。
「フォデンがローン? ありえない。絶対に不可能な話だ! 彼はこの先ずっと何年も、我々のところに留まる」
1月、グアルディオラ監督が語ったこの言葉こそが、フォデンに対する信頼の証だ。
文●井川洋一
※好評発売中の『ワールドサッカーダイジェスト3月7日号』より一部転載。同号の特集は「2000年代生まれのニューヒーロー」で、新世代の逸材を一挙に紹介・分析している。